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議会報告
REPORT

11.29

2024年 第4回定例会 本会議・一般質問 2024/11/27 武田やよい

 

2024年第4回定例会にあたり、日本共産党議員団の立場で一般質問を行います。質問は通告どおりで、その他はありません。

 

1 区長の政治姿勢について
(1)行政運営について
 区長は、今年の第1回定例会の所信表明で、「日々社会情勢が変化し、予測不能なVUCAと言われる時代背景にあって、その変化を的確に捉え、区民ニーズを把握し、時期を逸することなく効果的な政策を打ち出していくためには、計画的・戦略的に人材を育成していく必要がある」と発言しています。
 11月15日に開催された区民委員会で産業振興課から報告された「伴走型中小企業経営支援体制の構築に向けた考え方等について」では、課題として「区職員が経営相談に直接携わっていないことから現状や課題を十分に認識できていない。そのため、区が実施している施策や事業の実効性が担保できていない」との自己評価が示されています。このことは、日々の業務の中で、職員が現場に関わることの重要性が示された非常に大切な認識であり大いに評価いたします。

 

Q1 
 この評価が整理された経緯、施策・事業の実効性の担保に向けての今後の取組について伺います。

 一方で、同日報告された「新庁舎整備事業の主な取組み状況について」は、区民ニーズを的確に捉える努力、計画的・戦略的な人材育成について、大きな疑問を感じます。 まず、窓口の状況に関する調査は、委託事業者が行ったものであり、区は調査していません。報告内容のうち、「来庁満足度は、満足・やや満足で82%。「迷わなかったか」の問いでは、満足・やや満足で90%と高い結果となった」と報告されましたが、フロア案内を見ても手続場所が分からず迷っている方をしばしば見かけることや「事前に約束しても発券機で番号を貰わなければならず待ち時間が増えた」など、日常的に見聞きする状況・意見とは乖離していると感じます。
 次に、職員の働き方に関する報告は、「働く場所を選ぶ・ディスプレイの活用度」など、内部処理中心の働き方の範囲に留まっており、すべての部署の意見であるのか疑問が残ります。

Q2 
 そこで、伺います。本来であれば、区として一定期間調査を行い、来庁者の状況が異なるフロア別や年代別、職場別の状況分析を行わなければ、次の改善に資する「区民ニーズを的確に捉える」ことはできないと考えますが、仕事に取り組む姿勢についての認識を伺います。

 さらに、新庁舎への視察受入状況の報告ですが、通常、視察を依頼した側として、受入先の業務内容に否定的な発言はしないと思います。そのような状況でのアンケートをもとに「良い評価を貰っている」と報告していることには、大きな疑問が残ります。日常的に、このような感覚で業務に従事しているとすれば「業務改善」の視点が育たたず「的確なニーズ把握」が出来なくなると危惧します。

Q3
 「高評価」のみ強調するのではなく、「低評価」部分に目を向け、要因分析をすること、「自己満足」に陥っていないかチェックし、指導していくことが組織として必須であると考えますがいがでしょうか。見解を求めます。

Q4 
 区長は、対話による区政を掲げ、タウンミーティングの回数を増やしたり、基本構想改定時の意見交換などでは無作為抽出で区民の方に案内を出すといた取組を重ねるなど対話を重視してきました。しかし、例えば最近の状況としては、小学校の改築で、区が地域と十分に話し合いを重ねてこなかったことが要因となり、請願・陳情が出されました。また、東中野駅東口周辺まちづくりは、今年度に入り、区が地域に出向いている状況が著しく減少しており、「区が勝手に進めているのではないか」という疑念が地域の声として聞かれます。「対話による区政」を浸透させることについて、どのように進めていくのか伺います。

Q5 
 産業振興課の認識は非常に大切であり、現場感覚を大切にした指導を行う所管と、そうではない認識で指導を行う所管とでは、業務改善はもとより、職員育成の面でも差が開いていくのではないかと危惧しますが区の認識と対応策を伺います。

Q6 
 人事異動について伺います。一般的に、「役所は人事異動がある。」と認識されてはいますが、特に地域や関係団体とは、信頼関係を構築するこが肝要であると思います。信頼関係を基に事業を進める部門の課長、係長は、ある程度長い期間従事することが、よいと考えますがいかがでしょうか。
 また、人材育成基本方針の中では、「新規採用から10年目までの職員について、3~5年を基本に、異なる部門の職務を経験させ育成を図る」とあります。職員の現場感覚を高めるためには、この方針を確実に実施していく必要があると思いますがいかがでしょうか。見解を求め、次の項の質問に移ります。

(2)区有施設整備計画改定について
 来年度「区有施設整備計画」の改定作業が行われます。先日、少子化対策・地域包括ケア調査特別委員会で豊島区に視察で伺った際、2003年に「地域区民ひろば構想」を策定し、小学校区を基礎的単位として地域の多様な活動拠点として有効に活用できるよう、高齢者施設や児童館などを「地域区民ひろば」として再編したと伺いました。
 中野区では、かつて、すこやか福祉センターを整備した際、すこやかとして持つべき機能が十分に精査されず、場所ごとに配置されている機能が異なっていたり、来所対象者を想定したアクセス条件等の考慮も不十分であったことから、一部が十分に機能しなかったことなどがありました。

Q7 
 中野区でも、施設種別ごとに整備検討をするのではなく、維持すべき施設の機能、偏在のない配置の考え方、拡充すべき機能と集約すべき機能とを明確にし、計画を根本的に見直すべきと考えます。
 また、複合化する際には、併設施設間の業務の関連性、親和性に重点を置き、単に施設面積などから割り振るパズル的な計画としないようにすべきと考えますが検討の方向性を伺います。

Q8 
 また、施設整備年度を検討する際は、財政負担を平準化するため長寿命化計画も必須であると考えます。既定の建替目安のみで考えるのではなく、躯体強度などを調査し、施設ごとの建替目安の設定、リノベーション対応などを検討すべきと考えます。答弁を求め、次の質問に移ります。

(3)中野駅新北口駅前エリアの市街地再開発事業について
 11 月 11 日 中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会区で、今後の方向性として、「全地権者と施行予定者で締結している基本協定に基づき今後の事業の推進に向けて協議しており年内に施設計画変更の方向性を示し、年度内には区や各地権者等 と協議のうえ事業計画の見直し方針及び今後のスケジュールを取りまとめるよう求めている。併せて、施行予定者に対し、施行認可申請時の事業計画に示されていたスケジュールからの遅延に伴い新たに生じる地権者への負担については、施行予定者側で負担
するよう求めている。」との報告がありました。

Q9 
 事業の遅れに伴う経費増加分について、同委員会で会派の羽鳥議員が建設通信新聞では、報告と異なる発言を所管が行っていることを質問しています。改めて、経費増加分に対して施工予定者側に負担を求める区の考えに変わりはないか伺います。

Q10 
 併せて、このことに伴って、区民サービスの抑制・削減を行わないことを強く求めます。答弁を求め、次の項に移ります。

(4)介護保険事業者支援について
 11月7日、東京商工リサーチが2024年1月から10月における、介護事業者の倒産件数は145件と発表。前年同時期の122件から18.9%増加。さらに2022年同期の143件を超えて、過去最多の倒産件数となったと報告しています。
 種別では、最も倒産件数が多かったのは、訪問介護の72件。年間で倒産件数が最も多かった23年の67件を既に超えており、今年改定した介護報酬マイナスの影響が出ている可能性を示唆していると報告されています。

Q11 
 これらの状況を鑑み、世田谷区では、区民に必要な福祉サービスの事業継続を支えるため、緊急安定経営事業者支援給付金交付事業を開始しました。中野区でも、緊急対策として実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。

 世田谷区は、報酬引下げで苦境に立たされている事業者が増えている実態から、給付金支給を決めたとのこと。中野区でも、事業者の声を聞き、寄り添った支援を行うことを求め、次の質問に移ります。

(5)物価高騰対策について
 実質賃金は、ボーナス支給の結果が反映された、6月・7月はプラスとなったものの、8月・9月と再びマイナスに転じています。総務省が公表している消費者物価指数、2024年10月分の東京都区部の中旬速報値は、総合指数で前年度同月比1.8%上昇、前月比0.5%の上昇となっており、物価高騰が続いていることを表しています。
 第3回定例会で区長は、「区民の暮らしの状況について。賃金の上昇によって所得が増えている方がいる一方で、長引く物価高騰等の影響によって依然として苦しい生活を送っている方も数多くいるものと認識をしている。」と答弁されています。

Q12 
 実質賃金が再びマイナスに転じていること、物価高騰は依然として続いていることから、国や都の動向をみるだけではなく、区として積極的な独自支援策を講じるべきと考えます。お答えください。
Q13
 エアコン購入費の助成について、伺います。毎年、過去最高の猛暑が訪れる中、エアコンを持たない、もしくは故障しても買換えができない方たちにとっては、命に係わる問題となっています。23区内でも低所得の方を対象としたエアコン購入費助成実施区は9区に広がっています。特財として、環境施策の省エネ家電買換補助を活用するなど、財源確保の工夫も含め、実施を検討すべきと考えますがいかがでしょうか。積極的な検討を求め、次の項の質問に移ります。

(6)環境施策について
 11月9日に開催されたecoフェアは、場所は狭くなったものの、他のイベントの開催と重なったこともあり、多くの方たちが訪れるイベントとしてよい内容であったと思います。昨年のようにブースごとの不織布バックではなく、受付で大きめのエコバックが配られるなどの改善や、公共交通の利用促進、スローモビリティの実証実験で交通政策課のブース、里まち連携自治体の体験ブースなど、関連部署が参加していた点も評価するところです。

Q14 
 重点プロジェクトに位置付けられている「脱炭素社会の実現を見据えたまちづくりの展開」の中では、「すべての行政活動における環境負荷を低減する」とありますが、これを確実に実施するためには、個別計画の一つとしての環境基本計画・脱炭素ロードマップとしてみるのではなく、様々な区の施策の上位計画として明確なビジョンを持ち、所管としての環境課がイニシアチブを取って脱炭素ロードマップの進捗管理を行っていく必要があると考えます。
 先日、環境施策について区民委員会の視察で伺った福岡県庁では、取組を進めるにあたり「トップの明確な思いと指示」その指示を受けての「庁内での合意形成」により重点事業を進めることができたとの話を伺いました。
 改めて、脱炭素社会の実現を見据えたまちづくり展開のための区長の思いを伺います。

Q15
 「生活のあらゆる場面における環境配慮行動を促進する」手段の一つとして、環境施策について区民と一緒に検討する「気候区民会議」の設置を求めます。
 気候市民会議とは、無作為に抽出された市民が一定期間に開催される会合に参加し、科学的知見を得て、対話と熟慮と投票を繰り返し、気候変動対策をまとめ、提言するというものです。現計画での最終年度である2025年度には、次につながる事業として「気候区民会議」設置に向けた準備を行って欲しいと思いますがいかがでしょうか、答弁を求めこの項の質問を終わります。

2 子ども施策について
(1)療育の充実について
 個人の成長や発達を診察するだけでなく、集団における立ち振る舞いを評価して、社会的な発達の状況を把握する5歳児健診の実施については、これまでも他会派の方々からも質問がありましたが、改めて伺います。次年度、こども家庭庁の概算要求では、補助単価を3,000円から5,000円に上げ、2028年度までに実施率100%を目指すとしています。

Q16 
 2024年3月29日付けで子ども家庭庁、文部科学省、厚生労働省の3省連名で発出された「5歳児健康診査の実施にあたって求められる地域のフォローアップ体制等の整備について」では、健診後の個別のケースのフォローアップ整備が求められています。療育施設との連携、小学校入学時の連携などを整え、5歳児健診を早急に実施してはどうかと考えますが、現時点での課題等を伺います。

Q17 
 区内2カ所目の療育センター「ゆめなりあ」が開設され、アポロ園単独運営時より対応力は上がったと思われますが、指定管理者変更のタイミングで療育が滞るなどの問題も発生しています。
 2022年12月に文部科学省が公表した発達障害の可能性がある児童の割合は、8.8%であり、他の障害と比して出現率が高く、療育センターは現在でも不足状況にあります。区は、「新たに療育センター機能を含めた児童発達支援センターの設置に向けた検討を行うこととしており、区有施設整備計画への反映についても検討していく。」と答弁していますが、対象となるお子さんへの支援の充実などを考慮すれば、早い段階での設置、地域的偏在を解消する場所への設置が望ましいと考えますがいかがでしょうか。
 併せて、新たな施設整備までの間の対策として、特に需要が高い「療育相談」「保育所等訪問支援事業」については、既存療育センターの充実など、強化策を講じる必要があると考えますが、見解をお答えください。

(2)学びの多様化・居場所について
 全国的に不登校児童・生徒数が増加する中、中野区でも今年度より、東京型不登校特例校(通称N組)が設置され、学びの選択肢が拡がったことは評価いたします。先日、会派でN組の視察に伺い、修学旅行に行ったこと、日常的に中野中生徒との交流も自然にできつつあること、校内のスペースを工夫してカームダウンスペースを設けたことなど日ごろの様子や工夫している点を伺うことができました。
 その中で、1年生が登校に結び付いていない点について、「事前の体験通学がなく書類のみで入学対象と決まる点が課題」と伺いました。

Q18
 状況が全く分からない場所に通学することはかなり大変なことだと感じます。学校に通うという決断をしたお子さんの通学への不安解消策として、次年度の入学に向けて改善策を講じているのでしょうか。伺います。

Q19 
 すべての子どもの学びを保障するためには、様々な学びのかたちを提供し、選択できることが大切であり、区としても様々な学びの選択肢を提供する必要があると思います。学びの多様化学校分教室型の他に、区として学びの選択肢を増やすために検討している点について伺います。

Q20 
 11月5日、「自治体における「こどもや若者に関する取組」の推進について」というテーマで特別区議会議員講演会が開かれ、講演の中で、子どもをめぐる現状の1つとして、居場所の数が多い方が自己認識が高い傾向にあることなどの話がありました。
 前出の少子化対策・地域包括ケア調査特別委員会の視察で伺った、豊島区の中高生センタージャンプは、フリースペースの他、バンド機材の揃った音楽室、運動スペースなどが整い、自由に過ごせる空間として利用されています。また、平日の日中の居場所として、朝10時から施設を利用できる“朝ジャン”という事業も実施しています。
 子どもの居場所の一つとして、教育支援室でも学習機能だけではなく、平日の日中も好きなことをしていられる居場所機能も充実させることを検討してはどうかと考えますがいかがでしょうか。答弁を求め、次の項の質問に移ります。

3 区民健診・検診について
Q21 
 基本健診である3健診の昨年度の受診率は、国保特定健診34.7%、長寿健診41.9%、健康づくり健診4.5%と総じて低く、いずれの健診も2019年度より受診率が下がっています。健診の受診は、疾病を早期に発見し、早期に治療に取り組むことにより医療費抑制を図るとともに、健康寿命を延ばすためにも必要なものであると考えます。受診率向上のための施策について、どのように検討されているのか伺います。

Q22 
 この3つの健診は、500円の費用負担が生じます。23区で国保特定健診の自己負担を徴収しているのは、中野区を含めて3区のみ。20区は自己負担金がありません。国保加入者のうち、9割が所得300万円以下という状況です。東京都健康医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チームが2021年5月に発表した研究成果には「特定健診無償化は、一定の受診行動促進効果があることが示されました。」とあります。健診の無償化を行うべきと考えますがいかがでしょうか。

Q23 
 眼科検診について伺います。現在の眼科検診は、45歳から10歳刻みで65歳までが対象となっています。失明の要因トップである自覚症状の乏しい緑内障について、日本眼科医会の統計では、40歳以上の20人に1人が「緑内障に罹患」していると推計しています。 緑内障の発見には、眼底検査・眼圧検査が必須です。眼底検査・眼圧検査の重要性について、区の認識を伺います。
 併せて、受診年齢や頻度など、見直しを検討してはどうかと考えますが、見解を伺います。

Q24 
 歯科健診について、伺います。
 80歳の歯科健診については、区は、「かかりつけ医での定期的な受診が必要であると考えており、国や都の政策動向や他自治体の取組などを注視し、有効性について研究する。」としています。
 8月30日に開かれた第181回社会保障審議会医療保険部会で示された厚生労働省の資料「後期高齢者医療の窓口負担割合の見直しの影響について」では、外来利用が減少した主な疾病に「う蝕」が挙げられており、このことから歯科の受診が減っていると考えられます。
 実際に区内の歯科医院から診療回数が減少し、重症化してから来院する例が増えているとの話を伺いました。収入増が見込めない高齢者にとっては、物価高騰が続く中で、この状況は今後も続くものと思われます。
 受診を控えている方々が少なくとも年1回の歯科健診で口腔内の状況を把握できるよう、歯科健診の年齢上限を上げていくことを積極的に検討すべきと考えます。見解を求めます。

Q25 
 また、20歳、30歳の歯科健診の実施については、「検討する」との方針でした。早期に実施すべきと考えますが、現時点での検討状況を伺います。答弁を求め、次の項の質問に移ります。

4 生活再建の視点にたった債権管理について
 この間、参加した様々な講演会、視察などの中で、「子どもの兆しから背景にある困難を把握する」「日常会話の中から抱えている問題を見つけSOSをキャッチする」といった発言がありました。
 また、産業振興課の中小企業経営相談に関する課題にも「経営相談は総合相談であり、生活上の問題を含めた課題の棚卸が必要」との報告がありました。相談支援の基本は同じであると感じています。

Q26 
 生活再建型債権管理の検討について、第3回定例会決算特別委員会で、会派の浦野議員の質問に対し「次期基本計画の策定に向けた検討と合わせた組織検討の中で、債権管理の組織や体制についても併せて検討していきたい」との答弁がありましたが、区の債権も産業振興課の考え方を基本とし、「払ってもらう納付相談」の意識を変え、「社会課題はすべてつながっており、枝葉の施策だけでは解決しない」「生活上の問題を含めた課題の棚卸をする中の一つに滞納がある」との認識に立ち、組織・体制の検討を行ってもらいたいと考えます。見解を伺い、すべての質問を終わります。

 

 

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