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日本共産党中野区議会議員団

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議会報告
REPORT

06.27

2024年 第2回定例会 本会議・一般質問 2024/6/14 いさ哲郎

2024年第2回区議会定例会において、日本共産党議員団の立場で一般質問いたします。

 

■住まいの支援について (8問)

最初に住まいの支援について伺います。
 私たち日本共産党議員団は、住まいについて、健康で文化的な生活を営む上での権利だという立場でこれまでも質疑して参りました。改めて強調するまでもなく、日本経済は悪化の一途を辿っています。物価の高騰が続く中、実質賃金は25ヶ月連続で減少しています。普通の暮らしが年々難しくなる中、安定した住まいを確保することがますます困難になっています。
 賃貸住宅の家賃の目安は手取りの3割、というが通説のようになっていますが、実際は不動産業界でも資産運用業界でも20%から25%が妥当であると言われています。駅前再開発などの影響による中野区の地価の上昇は凄まじく、実質賃金の下落と相まって手取りの2割でも「住めない街」になりつつあるのではないかとの大きな懸念があります。今まさに、中野区が、基礎自治体として積極的な住まいの支援を拡充させていくことが求められています。

 昨年第4回定例会において、我が会派の浦野議員が住まいの権利について質問をしていますが、この質問に対し、住宅部門と福祉部門が連携した相談支援体制を推進していくことが必要であるとの答弁がありました。これは、3月の少子化対策・地域包括ケア調査特別委員会での学習会でも強調されています。
この認識のもとに、住宅部門と福祉部門の連携について調査や検討など進展があったのか伺います。(Q1)

 第4次住宅マスタープランについてお聞きします。プランの施策4「住宅ストックの適正管理」の項目に、空き家の利活用についての記載があります。これまでも空き家の活用については様々議論がされてきたところですが、元々住宅なのですから、利活用を検討するのであればそのまま住宅ストックとして考えていくのが本道ではないかと考えます。現在、空き家の利活用について検討は進んでいるのか伺います。(Q2)

 また、管理不全の空き家を生み出さない取り組みも重要です。区は現在、「空き家になる前に相談しましょう」というビラを作成し、区民活動センターなどに設置をしています。せっかく作ったこのお知らせビラを広く活用することは検討できないでしょうか。地域のことをよく知っている民生委員や地域包括にもお知らせの協力や情報提供をしてもらう、町会などの地域団体にも協力をお願いするなど、周知を広げることについてお聞きします。(Q3)
 第4次住宅マスタープランには、住生活基本法についての記載があります。住生活基本法は、その前身である住宅建設計画法が数量的な供給を増やすことを目的としていたことに対し、文字通り住生活という質の部分の向上を目指しているものです。この法律に基づき、国交省は住生活基本計画を定めていますが、この住生活基本計画は市区町村でも定めることができる、となっています。2021年7月の国交省調査では、全国の市区町村の30.8%、537の自治体が市区町村の住生活基本計画を策定しています。中野区は住生活基本計画を策定していませんが、住宅マスタープランを同等の計画として位置付けているのでしょうか。(Q4)

 また、住生活基本法の基本理念4には、「住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策の推進は、住宅が国民の健康で文化的な生活にとって不可欠であることにかんがみ、低額所得者、高齢者等の居住の安定の確保が図られることを旨として、行われなければならないものとすること。」と示されています。住まいが権利であること、この住まう権利を行政が支えるということが主旨となっています。この基本理念4について区の認識を伺います。(Q5)

 住居確保要配慮者支援事業について伺います。ここには課題が山積していると考えます。3月の少子化対策・地域包括ケア調査特別委員会にて「高齢者の住まいの確保など住宅確保要配慮者の支援について」という報告がされています。この事業の成果と現状の課題について改めて伺います。(Q6)また、高齢者以外の住居確保要配慮者については、現在検討は進んでいるのでしょうか。また、どのような課題があるのでしょうか。(Q7)

 住居確保要配慮者支援事業の一つとして、区内にセーフティネット住宅が増えましたが、これは住居確保要配慮者が入居したかどうかを調査しておらず、入居の条件としても要配慮者以外を認めていることから、要配慮者が住居を確保するための用をなしていないのではないかとこれまで指摘をしてきました。また、要配慮者だけが入居できるセーフティネット専用住宅は区内の軒数は現在でも1桁台と、これも需要を満たすには程遠いものとなっています。こうした実情に鑑み、思い切った政策の転換が必要ではないかと考えます。住居確保要配慮者支援事業の枠を超えた実効的な居住政策として、改めて家賃支援を求めます。家賃支援については過去に何度か質してきましたが、ここ数年でさらに物価高騰と実質賃金の減少が進み、広く生活の困窮が拡大して、住まいの確保は困窮世帯だけの問題ではなくなってきています。長く中野区に住んできた区民のみなさんからも、住み続けるのが困難であるとのご相談が相次いでいます。大学生や新社会人など若い世帯からも、中野区での居住は難しいとの声があります。今こそ、家賃支援に踏み出すことを検討すべきではないでしょうか。お聞きします。(Q8)

 

■困難を抱えた女性の支援について (5問)
 困難を抱えた女性の支援について伺います。区は、子育て世帯が離婚に向けて転居する際にかかる費用の補助を6月から始めています。23区では初めての試みです。離婚にむけ既に別居しているという状況は経済的にも大変厳しく、区がそうした具体的な困難の支援に取り組んだことを評価します。
 本年1定の総務委員会にて、「中野区男女共同参画基本計画(第5次)が策定されました。この計画の中には、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」いわゆる女性支援新法についても記載があります。同法に基づく支援を強化するためには、横断的で切れ目のない施策が必要であると記されています。この事業を推進・拡充する立場で質問します。
 最初にDVなどの相談についてお聞きします。DV相談では緊急避難先としてシェルターの存在が大変重要です。現在シェルターは、都の施設が区部と市部に一つずつ、それ以外は民間のシェルターを活用することになっています。相談対応を経てシェルターへの入居が必要だと判断した場合の、シェルターへの連絡や連携はどうなっているでしょうか。伺います。(Q1)

 先日、生活に困窮するAさんの相談に同行した際には、生活援護課での相談から速やかに女性相談担当に加わっていただき、大変ありがたかったとともに、頼れる窓口となっていることを実感できました。AさんのケースはDVではありませんでしたが、シェルターを活用できることとなりました。このシェルター利用については条件などはあるのでしょうか。相談内容を個別に判断して対応するのでしょうか。お聞きします。(Q2)

 DVなどの深刻な相談は夜間や休日などに緊急に連絡が入ることも少なくありません。こうした緊急の相談についてはNPOに協力を依頼することもままありますが、NPOが持っている施設は大体いつも満杯です。本来こうした支援の取り組みは、休日や夜間であっても行政が負わなければいけない仕事であると私は考えます。将来的には、時間外でも対応ができる部門が必要になるだろうということは述べておきます。

 養育費も大きな問題のひとつです。女性の困難の根源は経済の問題です。生涯賃金の男女差は1億円近いといわれています。女性の半数以上が非正規雇用で、正社員であっても役職につく機会が男性より少なく、昇給でも差がつきます。こうした差別的待遇の中、離婚してひとり親となった場合、子どもの養育費が支払われないと生活の困窮に陥ることになりかねません。親権は父親・母親どちらも取ることができますが、現実には母親が養育をするケースが圧倒的に多いことから、女性の問題としてお聞きをします。区は、養育費確保支援事業を開始しています。この事業についてこれまでの実績を伺います。(Q3)

 この事業は、養育費について公正証書や調停調書等で取り決めを行ったことが前提で、その手続きの経費について支援するものです。大変重要な事業ではありますが、養育費について取り決めを行っても約束通りの支払いがされない、ということが少なくありません。厚生労働省が2022年12月に公表した「令和3年度 全国ひとり親世帯等 調査結果の概要」では、養育費が支払われているのは全体の28.1%です。取り決めを行っても実際には3割も履行されていないというのが現実です。
 こうした中、埼玉県さいたま市で養育費立替の事業が開始されます。これは、養育費が支払われないときに、養育費を支払うべき義務者に対して、市が働きかけをし、それでも支払いがない場合に、養育費を受け取るべき人に対して、最大3か月分、上限月額5万円の立て替え払いをした上で、義務者に対して督促をする、というものです。また、制度の建付けに違いはありますが、お隣の杉並区にも養育費立替の事業があります。
 中野区でも、養育費立替事業については検討を始めてもいいのではないでしょうか。伺います。(Q4)

 この項の最後に、相談窓口について伺います。先ほど述べた養育費確保支援事業の窓口は子ども支援課で、女性相談全般は生活援護課となっています。女性の抱える困難によっては障害福祉課など他の部門が関わる必要がある事案もあろうかと思います。これから先、女性相談に関わって新たな取り組みも検討の俎上に上がってくる、こうしたことも鑑み、相談と対応の窓口を一本化していくことを検討する必要があるのではないでしょうか。この間、建屋をもった男女共同参画センターの設置も求めています。将来的にはこの男女共同参画センターでの集約を見据えることも大事かと思います。併せて伺います。(Q5)

 

■地域防災について (2問)

 防災に関わる事業は、政府や行政が責任を負うのが本来のあり方です。しかしながら、現状ではどうしても、防災会など地域の皆さんの力をお借りせざるを得ない状況にあります。このことから、地域防災に関わってお聞きをします。
 まず防災会の倉庫について。昨年「関東大震災100年 町会・自治会防災力強化助成事業」が実施されました。これは、東京都の事業で、防災会で上限30万円で防災物資を購入できるという制度で、多くの防災会がこの制度を活用して防災備品を増強しています。しかし元々防災倉庫は手狭になっており、この物資の追加でどんな状況になったか、実態を調査する必要があるのではないでしょうか。お聞きします。(Q1)

 区は防災会の倉庫について「初期消火資機材を置くために貸し出している」と規定し、正式な名称は『防災資機材倉庫』であるとしています。しかし実態としては、先に述べたような資材の追加が行なわれていることも多く、倉庫が手狭というのは地域の複数の防災会からも聞いているところです。こうした実態の方に合わせ、防災資機材倉庫であるとする区の考え方も柔軟に変えていく必要があると私は考えます。
 そのような、倉庫が手狭であり増やしたいという地域の声に対し、現在区が行っている対応について伺います。(Q2)

 

■デジタル政策について(5問)

次に、デジタル政策についてお聞きします。
 区は、施策においてデジタルトランスフォーメーションを推進するにあたり、デジタル人材の確保をするとしています。政府の方針であるDX推進そのものについては肯定できない部分も多々ありますが、一般論としてデジタル化は避けて通れない道であり、区民に役立つデジタル推進のためにも人材確保については重要な課題と考えます。この間、どのような部署でどれだけのデジタル人材の確保ができたのか、またそのデジタル人材がどのような役割を果たしてきたのかお聞きします。(Q1)

 岸田首相は5月23日の演説で「デジタル人材を10万人育成する」と表明しています。しかしながら、これまでも様々な場面で指摘してきたように、ICTの世界は長年にわたり低賃金・長時間過密労働による労働者の使い捨てが続き、深刻な人材不足となっている業界の一つでもあります。人材の育成には時間がかかることから、当面、現役の技術者の取り合いが生じることは必至です。他自治体や民間企業の中途採用など人材の取り合いになることが想定されます。この先のデジタル人材確保の見通しと、そのための努力について伺います。(Q2)

 この数年の間に、税務課でのシステムリプレイスやコロナワクチン接種予約システムの導入などで様々な事案が発生し、都度質疑をしてきました。システムの導入や更新の際には、各部とデジタル政策部門が連携をとっているとは聞いていますが、調達の部門も含め、実際に運用する所管部署とのコミュニケーションが充分であったのか疑問が残ります。こうした事案ごとに次に生かすべき反省点があるはずで、その反省はナレッジデータベースとして、デジタル政策部を所管する部署で共有し、以後のシステム導入や更新に備え、事例として保持・活用していくことが肝要ではないでしょうか。ここもお聞きします。(Q3)

 ここ数年ではデータセンターでのトラブルもありました。システムのトラブルについて、ゼロにすることや完全に予見することは困難です。だからこそ、トラブルに備えた冗長化や運用フローの準備はもとより、トラブルの場面・中長期的な対応・再発防止などにどちらがどう責任を負うのか、事前に明確にする必要があります。しかしいくら事前に取り決めを行ったとしても、トラブル事案では線引きが難しく、個別の交渉がどうしても避けがたくなります。こうした際には、契約の内容を把握しながら事業者側と交渉できる専門家がどうしても必要です。ここでデジタル政策部がその役割を発揮することになるのかと思いますが、デジタル政策部は具体的にどのように個別事案に関わり、どのように介入するのか改めてお聞きします。(Q4)

 この間、グリコ、HOYAなど大手民間企業で大規模なシステムトラブルが起きています。こうした事案について専門家は「システムの改修を事業者に丸投げしたことが原因である」と共通して述べています。中野区においても、事業者との折衝を、言いなりのようにならずに主体的に粘り強く行うためには、相応のエキスパートが必要になるはずです。デジタル人材の確保についてはさらなる努力が必要であることを協調しておきます。

 この項の最後に、施設予約システムについて伺います。区民活動センターだけでなく、スポーツ施設や文化施設などでも統一的なシステムを導入するとの方針が示されています。区は、予約システムを構築するにあたり、今年3月に区民向けのアンケートを行っています。大事な取り組みだと思います。
 このアンケート実施以前にも様々な声が寄せられていました。同じような内容を何枚もの用紙に記載する必要があるのか、予約のために平日日中に施設に出向かなければいけないのでは利用が難しい、キャンセル料300円の返済が1か月後であった、など、質疑でもとりあげてきました。区民活動センターの空き状況が分からない、という声もありましたが、これは既に改善されています。システム化に向けた要件定義にあたり、利用者である区民のこうした声に応えることが大変重要です。
 今回実施したアンケートに寄せられた区民の声にはどのようなものがあったか、システム化にあたってこの声をどのように活かしていくのかお聞きします。(Q5)

 

■囲町地区のまちづくりについて (4問)

 最初に囲町西地区について伺います。2022年3月にはこの地域の地権者から区長宛に要望書が提出されています。この要望書には、地権者の皆さんの思いが刻まれています。丁寧な説明といいながら、資料を読み上げ一方的にスケジュールを提示するのでは意味がない、地権者ひとりひとりにしっかりと向き合って欲しい、拙速な都市計画決定をしないで欲しい。いずれも、地権者として当たり前の思いではないでしょうか。
 この2022年3月時点で地権者5名が準備組合から脱退し、準備組合の組織率が約50%となり、この時点では組合設立に必要な地権者2/3を大きく割り込んでいました。西地区は本年5月15日に組合設立となりましたが、これは土地買収により、反対住民の土地の所有がデベロッパーに置き換わったということで、事実上の地上げです。私は、ここに住民合意があるとは到底思えません。こうしたこの地域の再開発の住民合意について区がどのように認識しているのか伺います。(Q1)

 次に囲町東地区について伺います。2023年4月9日には「中野四丁目新北口地区および囲町西地区都市計画案の説明会」が行われました。この場で、囲町東地区の事業完了が2026年度と説明されていたそうですが、三井不動産のHPでは事業完了は2028年度と記載されており、大きくズレがあります。この計画は延長されたのでしょうか。現在の正確なスケジュールをお聞きします。また、地権者に対し再度の説明会は行わないのでしょうか、こちらも伺います。(Q2)

 補助221号線についても併せて伺います。この計画道路は、中野駅から線路沿い北側を西に向かい、杉並区を経て環七に接続するもので、拡幅により杉並区の沿道の商店の立ち退きなど大きな影響があり、周辺の杉並区住民からは明確に工事反対の声が上がっています。地域住民の理解と納得が得られていないと考えます。この点について区はどのように認識しているでしょうか。(Q3)

 中野区と杉並区は2016年から囲町再開発と補助221号線について協議を行なっています。2019年12月に行われた杉並区側担当者との会議では、囲町西地区に隣接する区画道路2号の工事について、「杉並区への影響があまりに大きいことから情報提供しながら進めていきたい」と中野区側担当から発言があったことが、情報開示請求から明らかになりました。2019年12月時点でこのように打ち合わされている内容は、杉並区側沿道住民にはいつ、どのように説明されたのでしょうか。この計画は中野区の計画によるもので、杉並側の道路計画についても中野区が一定の説明責任を負うものと考えます。これまで杉並区側の沿道住民には説明の機会があったのか、この先はどのように説明をしていくのか、また杉並区とはどのように協議をしていくのか伺います。(Q4)

 

■外国人相談について (2問)

 新庁舎開設に併せ、「外国人の相談窓口」の運用が始まっています。開始から1か月、この間の相談の実績や相談内容について伺います。(Q1)
 6月1日現在、中野区には2万2千人を超える外国籍の方が居住しています。遠く海外からやってきて慣れない日本で暮らす皆さんの苦労は想像に難くありません。こうした外国人の皆さんに、制度について相談ができる窓口を知らせるのは、安心して生活いただく上でとても大事なことではないでしょうか。手続きや制度など知っておかないと困ることにもなります。例えば、日本人と結婚し、婚姻ビザで永住されている方が離婚をした場合は、手続きを忘れると永住権を失い難民となってしまいます。離婚する前に窓口で相談いただければこうした事態を回避できるわけで、相談窓口が果たす役割は大きいと考えます。中野区への転入時にお知らせをするなど、実効性のあるやり方で外国人相談窓口を周知する必要があるのではないでしょうか。(Q2)以上ですべての質問を終ります。

 

 

 

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