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11.27

2023年 第4回定例会 本会議・一般質問 2023/11/27 浦野さとみ

2023年第4回定例会 本会議一般質問

2023/11/27浦野さとみ

 

 2023年第4回定例会本会議において、日本共産党議員団を代表し、一般質問をおこないます。質問は通告通りです。質問に入る前に、イスラエル軍によるガザへの大規模攻撃・ジェノサイドについて述べます。パレスチナ・ガザ地区の人道状況は、きわめて深刻な危機に直面しています。ハマスによる無差別攻撃について、強く非難し、人質の解放を求めます。同時に、どんな理由があっても、イスラエル軍の行為は許されるものではなく、即時停戦すべきです。日本政府に対しても、そのためのあらゆる行動に力を尽くすことを強く求め、質問に入ります。

 はじめに、1、くらしと地域経済を守るための新年度予算編成について、伺います。
 長引く物価高騰に悲鳴があがっています。くらしを守る緊急の手立てが求められます。同時に、30年におよぶ経済停滞・くらしの困難を打開するためには、消費税の減税も含めた、お金の集め方・使い方の抜本的な転換が必要です。政治の責任で、最低賃金の引き上げをおこなうべきです。国が公定価格や報酬で決めている介護や保育などのケア労働者の賃金は、全産業平均より、月5万円以上も低いとされています。性別による賃金格差、非正規雇用の待遇改善は待ったなしです。現在、議論されている来年度の診療報酬改定について、大幅な引き下げが狙われていることは看過できません。インボイス導入から約2カ月となりますが、中小企業や小規模事業者、個人事業主の事業継続は極めて厳しい状況です。こうした国での悪い政治のもと、中野区が住民のくらしと経済を守り、「公」の役割を果たす姿勢を貫くことが、一層、求められます。

〇新年度予算編成方針では、「~食料品等の高騰により生じた社会不安から区民が安心して生活できる環境を取り戻すことは、区の喫緊の課題であり、区民生活に基軸をおいたサービスを展開することが重要」と記されています。物価高騰対策として、今年度おこなってきた保育・幼児教育・医療・介護・障害者分野などへの事業所支援については、新年度も継続していくことが必要と考えます。見解を伺います。

〇同方針では、基本計画で掲げた重点プロジェクトに対し、財源を優先的に配分するとしています。昨年度決算の審査で、会派として、気候変動対策と脱炭素社会の推進として、環境企画調整事業の執行率が3割にとどまっていることを指摘しました。今夏の猛暑、この11月になっても夏日が出るなど、気候危機への対策は待ったなしです。区の環境基本計画で掲げた目標の達成に向けた本気の取り組みが必要です。環境分野での新年度予算編成に向けた区の基本姿勢について伺います。同時に、現在、補助対象となっている太陽光発電や蓄電システム、高断熱窓やドアについては、更なる推進をすべきです。また、あらたなメニューの拡充についても検討すべきと考えます。あわせて、答弁を求めます。

〇環境施策の取り組みをすすめるためには、森林環境贈与税も積極的に活用すべきです。今後の活用の考え方について伺います。

〇異常気象から命を守るためには、エアコンは欠かせませんが、この間の電気料金の高騰により、エアコンがあっても使用を控える方、さらには、経済的な事情からエアコン購入ができない方もいます。練馬区では、今年度からエアコン購入費助成を開始しました。対象は、世帯全員が今年度の住民税が非課税世帯、今年3月分の児童扶養手当を受給している世帯や生活保護を利用している世帯などです。助成額は、エアコン購入費6万2000円、設置工事費3万8000円までをそれぞれ上限とし、最大で10万円です。練馬区は、制度導入にあたり足立区を参考にしたとのことです。23区では、他には、江戸川区や港区などが実施しています。中野区でも、新年度予算で対応することを求めます。見解を伺います。

〇11月16日から申請が始まった、半年分の実質の小中学校給食無償化は、多くの方から、歓迎の声が寄せられています。対象が区立のみではないことは、誰一人取り残さない区の姿勢として、あらためて評価します。今年度は、年度途中での実施であり、来年3月1日までに申請をしないと、給食費相当分の給付は受けられません。対象となるすべての方に行き届くよう、申請がない方に対しては、申請を促す対応が必要です。現時点で検討されている対応について、伺います。

〇給食はきわめて基本的な子どもの福祉です。本来、国が一律に実施すべきですが、23区でのこの一年の大きな変化は東京都や国の姿勢を変えさせる力があると思います。中野区における給食費の無償化は、来年度は年度当初から実施すべきです。また、対象は区立のみとせず、今年度と同様に、私立・国立・都立なども含め、すべての小中学生を対象にすべきです。見解を伺います。

 文部科学省が実施した、「2021(R3)年度子どもの学習費調査」では、公立・私立ともに、小中学校での学習費は前回調査(2018年度)時と比べ、増加しており、公立小学校では「図書・学用品・実習材料費等」の支出が最も多くなっています。「学校外活動費」をみると、公立・私立小学校ともに、学習塾などの「補助学習費」が過去最高となっています。GIGAスクール構想開始後、ルーターなどの通信関係費や電気代など、見えづらい負担になっているとの指摘もあり、「隠れ教育費」とも言われています。経済的に困窮する家庭は、「隠れ教育費」を支払うことに押しつぶされ、習い事や旅行などの学校外での体験機会にも格差が生じています。

〇中野区では、今年の第2回定例会にて、区立小・中学校に在籍している児童・生徒に対し、教材費の一部補助を補正予算で実施しました。小学生一人あたり5000円、中学生一人あたり9000円で、とても大事なことだと評価しています。この補正予算措置は、物価高騰の影響を受けているためということが理由になっていましたが、教育を受ける権利との関係で、児童・生徒・保護者にとって教育費そのものが大きな負担になっている現状についての認識を伺います。

〇この教材費については、学校ごとに大きな差が生じています。小学校での年間教材費は、例えば、一年生で一番金額が少ない学校が1万円、一番金額が大きい学校が2万4000円程でした。中学校三年生で一番少ない学校が1万9000円、一番大きい学校が6万円程でした。学年によっても差はありますが、同じ区立学校の同学年で、これだけの差があります。当然ながら、各学校・学年によって学習の進め方等にあわせた教材を選定しているため、金額だけをみて一概に良い悪いとは言えません。ただ、これだけの差があるということは、教育委員会や各学校間でもきちんと共有をし、適正か否かの判断ができる状況にすべきと考えます。同時に、教育費負担の軽減という視点に立てば、来年度も、教材費補助を実施すべきです。あわせて、見解を伺います。

 11月6日の子ども文教委員会に、「令和4年度子どもの生活実態調査(中野区分)の実施結果について」が報告されました。対象は、高校2年生年齢の子どもとその保護者で、今年1月下旬から2月中旬にかけて実施されました。「低所得」・「家計の圧迫」・「子どもの体験や所有物の欠如」の三つの要素のうち、二つ以上に該当する世帯を「困難層」とし、一つのみ該当する世帯を「周辺層」、どれにも該当しない世帯を「一般層」と分類しています。また、「生活困難層」は、「困難層」と「周辺層」をあわせた層としています。この「生活困難層」は、全体の20.3%であり、5人に1人という状況です。特に、ひとり親世帯においては、約30%となっており、子どもの体験や所有物の欠如を経験している割合が高くなっています。大学以上の進学期待については、「一般層」の親では、90%となっているのに対し、「困窮層」「周辺層」では、72.4%に留まっており、学びの保障という観点でも、差が生まれています。

〇区は、今回の調査結果を踏まえ、子どもの貧困対策関連事業のほか、高校生世代への支援について、施策の拡充を検討していくとしています。憲法は、どんな条件でも教育を受ける権利が平等であることを保障しており、学費の値下げや奨学金の抜本的拡充が急がれます。第3回定例会で、会派の広川区議が給付型奨学金をあらためて提案しましたが、今回の調査結果をみても、その必要性は明らかであり、急ぎ検討を開始すべきです。現段階の認識について伺い、この項の質問を終わります。

次に、2、人権が尊重され、一人ひとりが自分らしく生きることができる区政について、伺います。

  人権は、多数派が少数派の権利を認めるというものではなく、すべての人に生まれ持って存在し、人間が人間らしく生きていくための権利です。コロナ禍で格差や貧困が可視化される中、また、勇気を持って声をあげる方がいる中、本来はもっともっと政治の課題にすべきことが沢山あると感じています。人権やジェンダーの問題は、学べば学ぶほど、過去の自分と向き合うことにもなり、私自身も反省を深めることが多くあります。少子化対策についても大きな課題ですが、子どもを産んでもらうための結婚支援や、子どもを産むことが社会貢献であるということが、政策の中心ではいけないと考えます。結婚イコール、妊娠・出産ではなく、「結婚・妊娠・出産」だけがパターンでもありません。結婚をする・しない、子どもを産む・産まない、性別に関わらず誰を好きになるか、暮らし方や生き方は、一人ひとりの人権であり、自分自身で決めることです。政治の役割は、こうした一人ひとりの人権を尊重し、誰もが自分らしく生きられるように、多様な生き方を大事にすること、困難を減らし支えること、くらしに希望が持てること、将来への不安が少しでも解消されることです。その視点から、以下、5つの項目について取り上げます。

はじめに、(1)あらゆる施策において、ジェンダー平等の視点を貫くことについて、伺います。

〇コロナ対策において、ジェンダー平等の視点を貫くことが大事と、2020(R2)年の第2回定例会で求めました。当時の答弁として、「区における政策、施策において盛り込むべき考え方であると認識している。コロナ対策において、その視点を持って取り組んでいく」とのことでした。ジェンダー平等の社会は、誰かだけに特権を与えるとかではなく、誰もが生きやすい社会をつくっていくことになります。そのため、コロナ対策のみならず、区のすべての政策、あらゆる施策において、必要な視点であると思います。見解を伺います。

区の政策を豊かにし、充実させていくためには、区職員の皆さんが健康であること、人権意識を高く持ち、ジェンダー平等の立場で互いに尊重しあうことは欠かせないと考えます。そのことが、結果的に、「住民の福祉向上に努める」という自治体の役割を発揮することにも繋がります。この観点で、(2)誰もが働きやすい職場づくりについて、伺います。

 上智大学の教授などのグループが都道府県版ジェンダー・ギャップ指数を公表しました。行政分野での1位は鳥取県で、県や市町村で課長級の女性比率が全国で最も高く、県の男性職員の育休取得率も44.3%と、最も高くなりました。部局長、次長級の女性割合は、約20年前の2002年は4.6%、2007年から2013年度までの6年間は11%で推移しましたが、2014年度から徐々に増加し、2022年度に22.7%となりました。この取り組みは、約30年の歴史に及ぶとのことです。

 元知事の片山善博(よしひろ)さんが、知事になる以前の1990年代に旧自治省から出向し、県の総務部長を務めた時、まず、秘書課や財政課といった中枢部署の態勢を見直したとのことです。徹夜や長時間労働のない財政課にする方針を示し、冬に集中する仕事を可能な限り、夏に振り分けました。また、女性にお茶くみだけをさせないと、庶務に偏っていた女性職員の配置も全面的に見直しました。男性の中には、女性に頭を下げたくないと考える人もいましたが、人事配置の偏りをなくす努力をして、いやがおうにも女性職員に頼まなければいけない環境をつくっていったとのことです。態勢を整えた上で、女性にもキャリアの門戸を開き、性別による固定的役割観念を払拭させようということにも努めました。片山さんは、「こうした課題は、一人の力や短期間で全面解決するのは難しく、特効薬はない」と、地道な取り組みの積み重ねの大切さを語っています。

〇私自身、総務委員会に所属していますが、総務委員会に出席する企画部と総務部の管理職に女性は一人もいません。改選後の初顔あわせの時の違和感は、ずっと残っています。区の付属機関・審議会には、女性比率4割との目標を掲げ、各団体にヒアリング・アプローチもされていますが、区側の意識的な努力は欠かせないと考えます。区の政策決定に関わる分野に、多様な職員を積極的に配置することが必要です。認識を伺います。

〇現在、示されている、中野区男女共同参画基本計画(第5次)素案では、区の管理職員における女性比率向上に向けた啓発・育成では、意見交換会等の実施、職場全体でのサポートできる体制整備が記されています。男性職員の育児や介護関連での休暇を取りやすくしていくことも必要です。今後の、具体的な取り組み方法について伺います。

〇中野区でも、例えば、財政課において、従来の予算査定は夜など勤務時間外に行われていましたが、現在は時間内に設定するなど、改善されてきたこともあると伺っています。酒井区政以降、働きやすい職場づくりのために、他にはどのようなことが改善されてきたのか伺います。

〇鳥取県の取り組みのように、数カ月や単年度だけの取り組みのみではなく、5年、10年単位での、土台づくり、中長期的な計画を、より具体的につくっていくことが必要です。同時に、これは、職員課だけで解決できる課題ではありません。すべての部署においての認識共有、全職員での働きやすい職場づくりに向けた意識づくり、具体的な手立てが必要です。見解を伺います。

〇その際、ハラスメントをなくしていくことは大前提です。今年度初めて、職員向けにハラスメントに関するアンケートがおこなわれ、10月の総務委員会で結果が報告されました。誰もが働きやすい職場づくりに向け、この結果を今後に繋げることが重要です。若い職員の方々が増える中、働きやすい職場づくりについて、若い職員の方々からアイデアを募ることも必要ではないでしょうか。答弁を求め、次の項に移ります。

次に、(3)住まいの権利について、伺います。

 住まいとは、健康で文化的な最低限度の生活を営む上では欠かせないものです。しかし、ただ「ハコ」があればいいということではなく、適切な環境でなければ心身の健康にも悪い影響を与え、弱くもろい住宅は災害時の被害拡大にも繋がり命を奪うことにもなります。同時に、良質な住宅があるだけでは、十分ではありません。日本における住まい政策に、「居住福祉」という視点がないことを、住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人・稲葉剛さんや、追手門(おうてもん)学院大学准教授で居住貧困問題に関する研究などをされている葛西(くずにし)リサさんは指摘をし、住まいにおけるケアの視点の必要性も、強く述べています。まさに、人間らしい住まう権利です。

 昨年12月、「全世代型社会保障構築会議」報告書には、「住まい政策を社会保障の重要な課題と位置づけ、必要な施策を本格的に展開すべき」との提言が盛り込まれ、住まい支援強化の方針が国でも示されました。今年7月には、今後の居住支援のあり方を議論するため、厚労省、国土交通省、法務省の3省合同の検討会が新たに設置されました。これまで、厚労省は、緊急的かつ住まいがない人、生活保護など、福祉の領域を担い、国土交通省は、耐震性や公営住宅のハードの提供などの領域を担い、互いの領域を繋ぐところがありませんでした。

〇国で、3省合同の検討が新たに設置されたことは重要なことですが、中野区としても、住宅課と福祉部門が連携しながら、「居住福祉」という視点を持ち、住まいの支援を「社会保障の観点から捉えること」が大切と考えます。住まいのあり方や住まいの支援を、この観点で捉えることについての認識を伺います。

〇抜本的には、公営住宅の新規建設、民間賃貸住宅を借り上げ公営住宅にするなど、供給を増やすことが必要です。同時に、実質賃金が下がり続け、年金額も削減されているもとで、家計に占める家賃負担は、重くのしかかっています。例えば、世田谷区では、民間オーナーが建設した集合住宅を一定期間世田谷区の財団が一括借り上げしている公的住宅があり、新規で入居した場合、家賃助成を利用できます。年齢は65歳以上の単身者が対象です。また、目黒区では、18歳未満のお子さんを扶養する世帯に対し、ひとり親の場合も含めて、月額2万円・最長3年間の助成をおこなっています。あらためて、中野区において、家賃等助成の検討を求めます。見解を伺います。

〇人間を包みこむ住宅側の施策が変わるべきであり、公営住宅も多様な人がいてこそ、ケアの要素があると、葛西さんは指摘しています。東京都立大学の阿部彩教授による研究では、20~64歳男女の世帯構造別貧困率は、母子世帯が25.2%と最も高く、単身女性が24.5%と続きます。しかし、ひとり親やシングル女性を対象にした、住まいに関する行政支援は非常に乏しい状況です。性的マイノリティや外国人についても同様です。セーフティネット住宅における住宅確保用配慮者には、低額所得者・高齢者・障害者・子育て世帯などが明記されていますが、住まいの支援をおこなう対象の考え方を、より広く捉えながら、現在ある支援の枠にとどまらず、当事者の実態や声を把握する努力を重ねていくことが必要ではないでしょうか。また、それらの実態や声を、住宅施策全体の改善や拡充にも、繋げていくことも大切と考えます。見解を伺います。

〇区営住宅の修繕や計画的な建て替えについても、伺います。2022年3月に策定した「第4次中野区住宅マスタープラン」の基本理念には、「だれもが安全、安心に、そして健康に暮らし続けることができるまち・中野」を掲げています。しかし、中野区が昨年度実施した区営住宅等利用者アンケート結果の自由記述には、「築50年以上の住宅に住まわせていただいていますが、歩くたびに部屋も床もギシギシ音がして不安です」「天井から鉄の配管の根本が腐食している」「網戸の設置を検討して欲しい」「天井からの水漏れで床が水浸しになった」「お風呂場やトイレの壁に換気扇をつけて欲しい」など、老朽化している実態がたくさん寄せられています。建替え目安は70年としていますが、区は、こうした声をどのように受けとめ、今後の計画的な修繕をおこなっていくのでしょうか。答弁を求めます。

 戦後の日本の住宅政策は、持ち家政策、男性稼ぎが主モデルになってきました。住まいの問題も人権問題であり、ジェンダー平等の視点が不可欠です。住宅政策自身の転換を求め、次の項に移ります。

次に、(4)子どもの意見表明権の保障について、伺います。

 子どもの権利を国際的に保障する「子どもの権利条約」が1989年に国連で採択され、1994年に日本でも同条約を批准しました。それから約30年。子どもの人権への理解がなかなか進まず、いじめ、虐待、自殺、教育格差など課題は山積しています。2022年3月に制定された「中野区子どもの権利に関する条例」が果たす役割は、一層、重要さを増しています。本条例が前文に掲げる、「子どもは、権利の主体であり、一人の人間としてその尊厳が尊重され、その権利が保障されます。(中略)私たちは、だれ一人取り残すことなく、全ての子どもが幸せに生きていけるよう子どもの権利を保障します。(中略)私たちは、子どもの声に耳をかたむけ、その意見、考え、思いを受け止め、これを尊重し、子どもと一緒に、子どもにとって最も善いことを第一に考えます」との理念を、いかに具体的に進めていくかが問われます。

〇条例制定後、中野区でも、子どもの声をきく取り組みがおこなわれてきました。具体的に、どのような場面で取り組まれてきたのか伺います。また、各学校などでどのような取り組みがされてきたのかを集約し、校長会や教育委員会などでも共有していくことが大切と考えます。見解を伺います。

〇子どもの声をきく際には、例えば、日本語教室、一時保護所、放課後等ディサービスなど社会的にマイノリティの立場にある子どもたちにも、意識的に聞き取りをおこなう手立てをとって欲しいと思いますが、いかがでしょうか。認識を伺います。

〇同時に、子どもの意見は聞き置くだけであったり大人の都合の良い時だけ聞いたりというのでは本末転倒です。各プロセスで聞いていくこと、手法も様々に工夫していくことが大切と考えます。子どもの意見表明権の保障は、大人の応答義務が果たされてこそだと考えますが、認識を伺います。あわせて、この間、子どもの声をきく取り組みの中で、そこでの意見が反映された事例について具体的にお答え下さい。

〇都政においては、子ども政策強化方針の中で、政策全般を「子ども目線」で捉え直すとの考えが示されました。子どもの参加、子どもとの対話を通じて、政策の質を高めていくとされています。この視点は、区政全般でも大切ではないかと考えます。地域公共交通のあり方やまちづくりなども、例外ではないと思います。冒頭に、あらゆる区の施策において、ジェンダー平等の視点を貫くことが必要ではないかと述べましたが、区政全般を子どもの視点からも捉えていく、可能な限り、子どもの意見を聞いていくことも重要と考えます。見解を伺います。

最後に、(5)生活保護行政の改善・拡充について、伺います。

 生活保護法は、「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定めた憲法25条の理念に基づき、様々な事情で生活に困っている方に対し、その生活を保障し、同時に、自立を助けることを目的とする制度です。私は、特に、コロナ禍以降、生活保護制度の改善・拡充の問題は、こだわって取り上げてきました。それは、生活保護の基準は、最低賃金・就学援助や保育料・介護保険や障害児者のサービス(段階区分)・住民税など、あらゆる制度と連動しているため、生活保護を利用する方だけの問題ではなく、みんなの問題として考えることが大事だからです。同時に、立場の弱い方への行政の姿勢は、住民全体の姿勢に繋がります。生活保護を申請する方の多くは、生活保護バッシングなどから、「情けない」「恥ずかしい」との思いを抱えています。また、いわゆる水際作戦によって、申請すらできない状態が各地でまだまだ横行しています。かつ、貧困ビジネスにより生活保護費を搾取される状況もあり、これでは、自立どころではありません。ブラックボックス化しやすい分野だけに、こうした課題を一つひとつ可視化することによって、制度を必要とする方が安心して利用できるようにすることが、政治家としての責任であると思っています。

 この間、中野区では、新庁舎に生活援護課が入らない問題やケースワーク業務の外部委託問題などがありましたが、見直しが図られてきました。また、ケースワーカーの計画的な増員をはじめ、扶養照会の運用のさらなる改善や23区で初めて「生活保護の申請は権利です」と記したポスターを作成をするなど、大きな前進もありました。

〇先日、足立区において、生活保護申請を希望する方に対し、自立支援センターでの集団生活しか選択肢にないような間違った説明や、借金があるにも関わらずさらなる借金をして自費での転居を提案するなど、いわゆる水際作戦により、申請できない事例が大きな問題になりました。中野区では、こうしたことはないと思いますが、住まいがない方が申請に来られた場合、どういった選択肢が示されるのか、確認の意味で伺います。

〇年末年始の12月29日~1月3日、区役所は閉庁となりますが、この年末年始期間に、生活に困窮された方が来庁された場合などの対応について、伺います。

〇年末年始、窓口に来られた方に非常食としてお渡しする乾パンは、改善して欲しいと思います。防災課との連携で、備蓄品の活用もできないかと提案してきましたが、路上生活者用として毎年の予算で計上されている「乾パン購入費」について改善することを、あらためて求めます。見解を伺います。

〇生活援護課に寄せられる相談件数は、昨年度は、コロナ禍の最初の年度(2020年)とほぼ同数で、高止まりしています。今年度も、9月末までの件数をみると、このままのペースでいった場合には、2020年を上回る件数になり、生活が苦しい状況は続いています。今年度も、「生活保護の申請は権利」と記したポスターを作成し、区のお知らせ版やSNSも活用し、制度の周知を図るとしていますが、より一層の制度周知を、わかりやすく正確に、かつ、継続的に実施することが必要です。掲示場所などの工夫とともに、新庁舎でも引き続き、掲示すべきと考えます。答弁を求め、私のすべての質問を終わります。

 

 

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