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日本共産党中野区議会議員団

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議会報告
REPORT

06.23

2023年 第2回定例会 本会議・一般質問 2023/6/22 羽鳥だいすけ

 2023年第2回定例会にあたり、日本共産党議員団を代表し、一般質問をおこないます。質問に先立ち、4月の区議会議員選挙では日本共産党議員団は5名を当選させていただきました。公約実現へ力を尽くすとともに、住民のくらしといのちを守り、苦難軽減のために、「公」の役割を果たす政治へ、引き続き、全力で取り組む決意です。
まず「その他」の部分から質問をいたします。

 

1. 行政報告と区長の政治姿勢について
 行政報告と区長の政治姿勢について伺います。

 

(1) 物価高騰対策について
 まず物価高騰対策について3点伺います。
 昨年からの急激な物価高騰により、区民生活や事業者の方々の困難さが増しています。今年値上げされた食品は2万品目を超え、この6月もさらに3500品目が値上がりとなり、年間では3万品目を超える可能性もあります。電気料金もさらに値上がりとなります。会派として、今月1日に区長への要望書も提出をさせていただきました。
 先月の臨時会に続き、今定例会でも、さらなる補正予算を提案するとのことです。そのこと自体は評価するものです。しかし、区民生活の切実な実態を鑑みれば、区独自のさらなる対策が必要です。23区では、6月に入り、あらたに、江東区や文京区、豊島区、港区などで学校給食無償化を実施する表明がされるなど23区中、17区に大きく拡がっています。
Q1.中野区としての実施検討を、あらためて求めます。見解を伺います。

 

 コロナ禍、そして、物価高騰が襲い掛かる事業者にとって、さらに追い打ちをかけるのが消費税インボイス制度です。なんとか踏ん張って事業を続けてきた方々に増税という止めを刺すことになり、廃業を選択せざるを得ないという声が多く届いています。昨年、このインボイス制度に関して、区長に認識を伺った際、「中野区は区内事業者の9割超が中小業者で、その影響は深刻」と、区長自らも述べています。行政報告の中で、物価高騰が区民生活や事業者の運営に影響を与えている点に触れられていることは重要ですが、
Q2.そうであれば、中野区独自の財源も使い、個人・中小業者への支援をおこなうべきです。答弁を求めます。

 

 先月の補正予算で可決した低所得者向けなどの給付金については、新宿区など、自治体独自に対象を広げて給付しています。中野区でも、検討すべきです。また、区内子ども関連、介護、障害者施設などへの食材費、光熱費補助も、昨年に続き、実施すべきです。さらに、在宅酸素や人工呼吸器など、命綱としてこれらが不可欠な方にとって、電気代の値上げは、まさに命にもかかわる問題です。
Q3.区独自の補助について検討すべきです。あわせて、見解を伺います。

 

 補正予算審査の際にも、述べましたが、国や都の補助金内でおこなう、他区の様子をみておこなうという姿勢ではなく、区として「公」の責任を果たす立場で区民の生活と事業者を支える積極的な検討をあらためて求めます。

 

(2) 誰一人取り残さない区政の実現について
 続いて誰一人取り残さない区政の実現にかかわって12点伺います。

 

(ア) 医療・介護について
 医療については、皆保険制度自体を揺るがしかねない事態の一つとして、保険証廃止を含むマイナンバー法改定案が今月2日、自民党や公明党、維新の会などの賛成で可決しました。この間、他人の医療情報が誤ってひもづけされたり、無保険扱いの方が出たりするなど、制度の根幹にかかわる致命的な問題が連日のように明らかになる中での強行採決は、絶対に許されるものではありません。強く抗議します。そもそも、マイナンバーカードは任意であるにもかかわらず、実質的に強制し、窓口負担にも差をつけるということまでおこなわれています。少なくとも、いまトラブルが続出する中、保険証とマイナンバーカードの一体化は停止をすべきです。
 マイナンバーカードを持たない場合、持っていても保険証とひもづけていない場合などは、保険証の代わりとなる「資格確認書」と発行するとされています。しかも、これは1年間の期限で、自動更新はできない見通しで、保険者の事務は増えることが懸念されます。
Q4.現在、想定される被保険者への影響、保険者事務への影響について伺います。

 

 また、現在、公金口座やマイナポータルなど、様々な情報のひもづけによるトラブルの発生が大きく報道されています。

Q5.中野区では、こうしたトラブルは起きていないのか伺います。

 

 介護について、伺います。この間、コロナ禍において、臨時的な扱いとして、要介護認定及び要支援認定の有効期限の延長が認められてきました。しかし、今年4月1日以降に有効期限の満了日を迎える方は、原則、通常通りの更新認定を実施していくことになりました。そのため、この4月や5月に有効期限となった方が、期限内に審査が終わらず、暫定のケアプランを組まざる得ない状況が多数発生しています。
 党議員団にも複数の方から相談が寄せられています。ある方は要介護1の認定であり、5月末で有効期限が切れるにも関わらず、当初の予定では審査会が6月中旬以降の予定となっていました。特に、要介護と要支援ではサービスにも大きな違いがあることから、ご本人もご家族もケアマネジャーさんも不安を抱えた状況でした。現在、1回の審査会で35~40人、1日2回の実施により、70~80人の審査が行われていますが、追いついていない状況と伺っています。
Q6.実際、4月もしくは5月が有効期限となっていた方で、期限内に審査結果が出なかった方がどの程度いたのか、伺います。
 

Q7.こうした事態について早急な改善が必要です。医師会とも相談する等、事態改善のための具体的な対応策について答弁を求めます。

 

 聞こえの支援に関しては今年度の予算で、高齢者の補聴器購入費用助成に係る検討会設置のための費用が予算化されています。
Q8.予算審査での質疑では、検討会は3回を予定しているとのことでしたが、現在の開催状況、検討状況について伺います。

 

 23区ではすでに助成制度を実施している区が多数となっています。早急な実現を改めて求めます。

 

(イ) 子ども施策について
 子どもの権利に関する条例制定から1年強が経過しました。のちに触れる人権に関する条例とあわせ、理念のみに終わらせず、どう根付かせ、多くの方と共有し、区政の中で生きたものとしていくかが求められます。
Q9.条例制定からこれまでの期間、この条例が区政の中にどのような変化を生み出したか、また、子どもが一人の人間として尊重され、意見表明や参加の機会でどういう変化があったか、具体的な事例をもとに答弁を求めます。また、今後、どのようにこの条例を生きたものとしていくのか、その上では子どもたちにかかわる大人側の研修なども重要と考えますが、あわせて伺います。

 

 区内のある学校では、今後、子どもたちに意見を聞きながら校則を見直していこうという提案が校長先生からされたと伺っています。大事な変化だと思います。
Q10.区としても、こうした学校ごとの状況を把握し、共有していくことも大切と考えます。見解を伺います。

 

 行政報告では、今後、児童館の条例上の位置づけや展開のあり方について触れられています。子どもの居場所については、同条例の19条でも、子どもが安心して過ごすことができる居場所づくりに努めることが記されています。
Q11.今後の検討の中では、子どもたちの意見を聞く機会を十分に確保すること、場の設定の工夫も含めておこなうことが大切と考えますが、認識を伺います。

 

 子どもの多様な居場所づくりは大切であると同時に、現在、学校現場で起きている様々な課題の根本には、学校再編計画の失敗があることは、会派として、これまで指摘してきました。安易な統廃合が、子どもたちの学びや遊びの環境に影響を及ぼしていることは、前区政で決められたこととは言え、区として早急に検証することが求められます。
Q12.加えて、現平和の森小学校の跡地における売却方針は撤回・見直をし、区民にとっても大事な財産である学校などの区有施設跡地は、住民参加での丁寧な議論が必要です。見解を伺います。
 

(ウ) 人権について
 人権について伺います。この世に生きるすべての人は、性別、性自認、性的指向、国籍、年齢などを問わず、一人ひとりがかけがえのない存在として価値を持っています。同時に、一人ひとりが人間らしく生きる権利を持っています。言うまでもなく、この権利は平等であり、社会全体で守り、互いに尊重しあうことが重要です。中野区では、人権及び多様性を尊重するまちづくり条例施行から1年強が経過しました。しかし、2022年中野区区民意識・実態調査でもわかるように、条例の認知度は1割未満であり、人権侵害に関する相談体制の認知度も2割弱となっています。人権に関する認識を区民の方々と広く共有し、育んでいくことはこれからの大きな課題と言えます。その大前提として、庁内、行政職員の方々の中での課題認識を深めることが大切と感じます。行政職員と来庁される区民の方の間には、平等とは言えない状況が生まれがちです。例えば、生活保護ケースワーカーと生活保護利用者、保育士と子ども、教職員と児童・生徒も同様です。もちろん、行政職員自身の人権が守られることも大切です。
 だからこそ、互いに人権について学びあっていくことが重要です。人権の尊重は、区政運営の最も基本的かつ重要な思想であり、多文化共生社会の実現に向けては、一層、重要となります。
Q13.行政報告の中では、職員の人材育成に触れられていますが、区として職員への人権教育をどうすすめていくかについて、認識を伺います。

 

 人権尊重のためには、あらゆるハラスメントをなくしていくことが不可欠です。今年の第1回定例会で、中野区において、区職員等を対象としたハラスメントに関する実態把握のためのアンケート調査を求めた際、「検討していく」との答弁でした。
Q14.6月に開始されたと伺っていますが、今回のアンケートの対象者および対象者数、現在の状況、また、その結果をどのように分析し、今後に活かしていくのか伺います。

 

 今回のアンケートの対象に、会計年度任用職員等が含まれていないのであれば、追加しての実施も検討すべきです。また、窓口の受付など委託事業者の職員についても対象とする必要があると考えます。
Q15.今後、全体でおこなう際には、対象を拡げることも含め、検討すべきです。見解を伺います。

 

 これまで、党議員団としてジェンダー問題について、パート―ナーシップ宣誓、生理の貧困、痴漢被害をなくすこと、性教育のあり方、避難所におけるジェンダー平等など、様々なテーマで取り組んできました。学べば学ぶほど、私自身も過去の自身の認識に反省することも多く、常に自己改革と認識の発展が求められる分野と実感しています。ともに学びあいながら、条例の理念が広く共有され、包括的に議論が発展できるよう高めあいたいと思います。

 

(3)平和行政について
 平和行政について3点伺います。
 行政報告において、先月の広島でのG7サミットについて触れられています。被爆地・広島での開催に期待が高まりましたが、参加した核保有国から核廃絶に向けどのような努力を具体的にしていくという姿勢が示されなかったこと、また、日本政府も核兵器禁止条約には一切触れなかったことなどについては、被爆者などから落胆の声が多く出されています。一日も早く、日本が核兵器禁止条約を批准することを、あらためて求めます。ロシアによるウクライナ侵略が1年を超え、東アジアの平和をめぐっても緊張が高まっています。いま、政治に求められる役割は、戦争を煽ることではなく、戦争をおこさないために対話による外交に力を尽くすことです。それ故に、各自治体での取り組みも一層、重要となります。
 中野区では、昨年、「憲法擁護・非核都市」の宣言から40周年となり、行政報告の中でも、「平和行政を推進する中野区として、区としてできる平和への取組をしっかり考え、実行し、発信していかなければ・・」と触れられていることは大切なことです。
Q16.あらためて、区長の平和行政推進への決意を伺います。

 

 平和行政の推進には、あらゆる機会を通じて、真実を学び続け、継承することが大切です。
Q17.区立総合体育館内の平和資料展示室の充実、平和マップの普及をあらためて進めるべきです。見解を伺います。

 

 現在、区役所正面には「憲法を生かそう くらしに 中野のまちに」と記した横断幕が掲げられています。
Q18.新庁舎でも、継続すべきと考えますが、見解を伺います。また、昨年の第3回定例会で、平和記念碑等の増設について伺った際、「新庁舎の移転整備際し、憲法擁護・非核都市の宣言を刻んだオブジェの設置を検討している・・」との答弁がありましたが、その後の検討状況についてもあわせて伺います。

 

 この項目の最後に生活保護行政の改善・拡充について一点伺います。
 昨年度、生活援護課で受けた相談件数は4354件、生活保護の申請件数は796件と伺っています。相談件数は、コロナ前の2019年度から2020年度は約20%増となりましたが、その2020年度の件数も上回る数となっており(2020年度は4350件)、この数字からも区民の方々の大変な状況がみてとれます。中野区が2年連続で作成し、広く周知した「生活保護の申請は権利です」というポスターには大きな反響が届いています。制度を必要とする方に、きちんと制度を利用していただく上でも、引き続きの周知と丁寧な対応が求められます。
Q19.今年度も引き続き、区のお知らせ板などへのポスター掲示やSNSなどでも繰り返しの周知を求めます。見解を伺います。

 

2. コロナ対策
 続いて、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。5月8日、政府は新型コロナウイルス感染症の分類を従来の2類相当から、季節性インフルエンザと同等の5類に引き下げました。これにより行動制限がなくなったり、検査や医療に係る費用に自己負担が発生したり、全数把握が中止され定点医療機関による発生動向把握になったりと様々な点で対応が変わりました。
 ワクチンの普及、ウイルスの変異により、重症化リスクは下がってきたものの、基礎疾患のある方、高齢者(特に虚弱高齢者)、ワクチン未接種者には、まだまだ脅威となりうる疾患です。ワクチンにも、副反応、長期副反応など改善が求められる課題があり、ワクチンが接種できない方、接種しない選択をしている方も少なくありません。また新型コロナは発症する前からウイルスを排出し、周囲に感染させるという、インフルエンザなどにはない特徴を持っており、ウイルスを排出していることを自分では認識できません。
 5類になったからといってもコロナの性質が変わったわけではなく、感染力とともに引き続き警戒しなければならない感染症であるにも関わらず、「コロナは収まった」などと言う人が多いことには危惧を覚えます。中野区感染症発生動向調査週報を見ますと、定点報告となって以降、新型コロナウイルス感染症の発生報告数は一貫して増え続けています。この状況の中で特に重症化リスクの高い方々への感染拡大やこうした施設でのクラスターの発生は何としても防がなければなりません。
Q20.5類移行後、区としては介護・高齢者施設や障害者施設において感染拡大を防ぐためにどのような取り組みを行ってきたでしょうか。

 

 感染症を広げないためには、感染者をまず把握しなければなりません。そのためには検査が重要ですが、5類移行によって発熱外来での検査費用が有料になり、自覚症状があるにもかかわらず、コロナの検査を受けない方がいるそうです。こうしたところから新たな感染が広がることも十分想定されます。
Q21.新型コロナウイルスの感染が疑われる有症状の方にはお金の心配なく検査を受けられる体制を整えるべきではないでしょうか。

 

 コロナの重症化を防ぐためにはワクチンの接種とともに、抗ウイルス薬の服用が重要です。しかし抗ウイルス薬の公費負担は9月末で終了する見込みとなっています。そのため新型コロナには重症化を防ぐための安価な治療薬がありません。
Q22.10月以降も重症化リスクがある方などに安価に治療薬が行き渡るよう対策を講じるべきではありませんか。

 

 この間、区内の医療機関から新型コロナに関係して必要な対応と求められている支援についてお話を伺いました。2点質問いたします。
 まずは院内クラスター発生時の対応についてです。クラスターが発生すると現在は保健所が検査の対象を決めて行政検査を行うことになります。その際に、保健所が直接やる方法もありますが、医療機関に委託をする方法もあります。クラスター対応では一刻も早く陽性者を特定し隔離することが必要です。
Q23.素早い対応が可能となるよう、行政検査の手法について委託によるやり方も積極的に活用すべきではないでしょうか。

 

 区が行った感染対策費用の支援金支給は大変喜ばれています。先程も述べた通り、新型コロナが5類になったからと言ってウイルスの性質が変わるわけではありませんし、現在も感染者は増え続けています。そうした下で、感染対策費用は出続けています。物価高騰も重なり、医療機関には大きな負担となっています。
Q24.感染対策にかかる物品の支給を実施すべきではないでしょうか。

 

 日本共産党参院議員・吉良よし子事務所が行ったコロナ後遺症アンケートには、千人を超える方から回答がありました。多くの人が後遺症で苦しんでおり、仕事ができなくなるなどの重い後遺症の方も少なくありません。アンケートでは86%もの方が「日常生活・社会生活に影響がある」と回答し、そのうち7割は休業・休職、3割は退職、失業したと答えています。休学したという回答も多く、ある高校生は30分勉強しただけで半日寝込む状態となり、人生が変わってしまったと訴えています。基礎疾患もなく、元気な若い方にとっても、「罹っても平気な病気」とはまだ言えない
 コロナ後遺症の周知について、区ホームページには後遺症の症状がごく簡単に載っているほかは、東京都と厚生労働省の関連するホームページへのリンクが張られているだけになっています。このような閲覧性が低い状態にしておくのではなく、区のホームページとして必要な情報がわかるように完結している必要があります。
Q25.コロナ後遺症についてページの改善をしていくべきではないでしょうか。

 

 この項目の最後に、学校における空気清浄機の設置についてお尋ねします。第1回定例会でもお尋ねしましたが、国の方で「感染症流行下における学校教育活動体制整備事業」が予算化されており、空気清浄機の設置などに補助金が付きます。新型コロナの感染が拡大する下で、手洗い、マスクとともに換気が非常に重要です。
Q26.学校に対して、こうした補助金について情報提供を行うべきではないでしょうか。

 

 伺ってこの項目の質問を終えます。

 

3. 地域の交通対策について
 次に地域の交通対策について伺います。昨年度は若宮・大和町地域においてコミュニティバスの実証実験が行われました。運行自体は地域の方から歓迎されましたが、利用実績の中間報告では乗車人数0人の便が1日の運行便数の約6割、収支率は約7%と大変厳しい結果となり、3月に運賃引き下げや便数削減を主な中身とする短期的な取り組み行ったと聞いています。
 この間、地域でコミュニティバスの運行を求めて活動してきた若宮・大和ミニバスの会の方からいただいたニュースでは実証実験のついてのアンケートの結果が紹介されています。この中ではバス停の数・位置について「少ない」「作ってほしいところがある」という意見が多く寄せられるとともに、200円の運賃についても「高い」との回答が多数となっています。アンケートからも利用のしづらさを多くの人が感じていることがうかがえます。
 今年度は昨年度取り組みを受け、運行ルート等の見直しをすることが議会報告されていました。しかし今紹介したような声も受け止める必要があるのではないでしょうか。
Q27.今年度の実証実験にあたり区はどのような見直しを考えているのでしょうか。また、運賃についてはシルバーパスの適用もしくは100円とすること、バス停についてもよりきめ細かく設置する必要があるのでないでしょうか。併せてお答えください。

 

 私は3月にK01系統(コミュニティバス・旧なかのん)の運行改善を求めて関東バス本社に申し入れに伺いました。その際に、この実証実験についてもお話を伺いました。そこで、車両の導入経費や赤字が膨らんだ際の費用が関東バスの負担となっていることを知りました。
Q28.実証実験における赤字分は中野区が負担するなど、財政的な補償をしっかりとすべきではないでしょうか。

 

 昨年の第3回定例会にも質問いたしましたが、鷺ノ宮駅南口へのエレベーターやエスカレーターなどのバリアフリー設備について伺います。中野区バリアフリー基本構想には鉄道駅について「バリアフリー経路は、乗降客が最も一般的に利用するルート(主動線)に確保することを基本とし、あわせて可能な限り、方面別など複数のルートの確保に努める。」としています。
 しかし、区はこれまで鷺ノ宮駅南口へのエレベーター設置について「エレベーターを設置することは、地形上及び駅の構造上難しいと西武鉄道と確認をしている」と他人事な答弁に終始しています。
 2月~3月にかけて鷺ノ宮駅で区民の方にシールアンケートで鷺ノ宮駅南口へのエレベーター設置について伺ったところ、設置が必要は211人、必要ないは15人と圧倒的な結果でした。エレベーターの設置は鷺宮地域の住民の総意といってもいいものです。4月にはこうした要求を携えて西武鉄道本社に申し入れに伺いました。エレベーターとともにエスカレーター設置の条件についても教えていただきました。そうした中で、エスカレーターを設置した場合に残る階段の幅が円滑な通行のためにわずかに足りないと試算していることなどを知りました。
Q29.現在の敷地での実現を絶対条件とするのではなく、「どのような方策ならば、鷺ノ宮駅南口へのエレベーターないしはエスカレーター設置が可能か」技術的方策を検討してもよいのではないでしょうか。区の見解を伺います。

 

 伺ってこの項目の質問を終えます。

 

4. 環境問題について
 次に環境問題について伺います。
 地球温暖化は現在、気候危機ともいわれる状況になっています。世界気象機関(WMO)の最新報告によると、2027年までに気温上昇が一時的に1.5度を超える可能性が66%もあるとのことです。様々な分野で地球温暖化がさらなる地球温暖化を招く事態にまで到達しつつあることが指摘されています。危機の影響を少しでも抑えるために、私たちに残された時間はわずかとなっています。
Q30.まず、こうした気候危機に対する区長の認識を伺います。

 

 事態の緊急性に対して、区の施策からは二酸化炭素排出量を2030年に2013年比で46%減少させるという本気度が感じられません。区のあらゆる分野で二酸化炭素排出量の削減につながる様々な施策を展開する必要があります。
 特別区長会調査研究機構が昨年度に出した調査研究報告書の一つ『「ゼロカーボンシティ特別区」に向けた取組み』は、中野区が取るべき施策を考える上で示唆に富む指摘が多くあります。報告書は「研究報告にあたって」で、「特別区のこれまでの取り組みを踏まえCO2排出量の将来推計をしても、2030年推計値は2000年比11%削減、2050年は約23%削減にしかならず、ゼロカーボン実現には遠く及ばない」と厳しく指摘しています。そして、「2000年比で2030年カーボンハーフ、2050年ゼロカーボン実現という高い目標を掲げ、バックキャスト方式で対策を検討し実践することが必須となる」として、①再生可能エネルギーの電力利用の推進、②中小企業の脱炭素化への支援、③建物・住宅のZEB・ZEH普及の推進、④森林整備の取り組みによる吸収量の確保・効果の把握、の4分野にわたって取るべき方策や課題などを分析しています。
 現在、中野区の二酸化炭素排出量の約50%を占める民生家庭部門については、再生可能エネルギーの導入政策がありますが、利用は低調にとどまっていると伺っています。今年度から省エネ設備導入への設置補助の対象に中小企業も含まれることになりましたが、こうした制度の案内は行き渡っているのでしょうか。先の報告書では求められる支援内容として設備の改修補助だけでなく、専門家の派遣や電力の効率化が可能なソフト面の支援が求められるとしています。
Q31.来年度に向け、中小企業の脱炭素化を支援する施策を充実すべきと考えますがいかがでしょうか。

 

 報告書でも述べられている建物のZEB化の推進は非常に重要です。現在、中野区地球温暖化対策実行計画(事務事業編)には区有施設のZEB化についての記述はありませんが、中野区構造改革実行プログラムにおいて、「区有施設の脱炭素化」の項目を掲げました。杉並区では3月に策定した地球温暖化対策実行計画(事務事業編)において、「区立施設の新築・改築時における、原則ZEB化(ZEBオリエンテッド以上)」を掲げ、先日の補正予算では、区立公園管理棟の完全ZEB化を行うモデル事業を実施することが発表されました。担当の課長にお聞きしたところ、管理棟の施設規模が適していたことや市民への環境学習の効果も期待できることが選定の理由とのことでした。
Q32. 中野区でもこうしたZEB化のモデル事業をやってみてはいかがでしょうか。

 

 報告書では、先に紹介した4つの分野において2050年「ゼロカーボンシティ特別区」の実現のために23区が連携して取るべき方策を提言しています。例えば「再生可能エネルギーの共同購入事業」などでの23区が一体となった事業者支援を促進することなど具体的な施策も含まれています。
Q33.こうした連携を実現するために「気候変動に関わる各区の部長を構成員とする会議体を組織し、各区が共同して行動できる施策を検討し実施する」ことが提言されており、検討すべき課題ではないでしょうか。

 

 地下水のPFAS(有機フッ素化合物)汚染について伺います。PFASとは泡消火剤や塗料などに使われてきた化合物の総称です。人体や環境への残留性が高く、腎臓がんの発症やコレステロール値の上昇など健康に影響が出る恐れがあるため、代表的物質のPFOSやPFOAなどは国際的に規制が進んでいる状況にあります。日本では水道水1リットル当たり50ナノグラム以下という暫定目標値の設定のみです。環境省は2021年度に都内の河川16カ所、井戸81カ所の合計97カ所を調べ、暫定目標値を超えたのは河川で0カ所、井戸で24カ所でした。しかし、アメリカでは今年3月にPFOSとPFOAについて、1リットル当たりそれぞれ4ナノグラムとする規制値案を公表しました。この時のデータで、アメリカの規制値案を超えていたのは河川で13カ所、井戸で57カ所と70カ所となり暫定目標値の場合より3倍近くまで増加します。井戸水で規制値案を超えた地点は、17区20市1町に広がっています。この間、多摩地域では民間団体が住民の血液検査を行ったところ、他地域よりもPFASの血中濃度が明確に高く、水道水から摂取したと予想されています。都水道局は19年以降、国分寺など7市の浄水施設で、PFASによる汚染が確認された井戸34カ所の取水を停止する事態になっています。
 汚染源として、メッキや半導体の工場のほか、PFASを含む泡消火剤を大量に使う横田基地が指摘されています。東京の地下水は大きくは西から東に流れており、それに沿って汚染が広がった可能性があります。23区でも渋谷区でPFASの一種であるPFOSが330ナノグラムの濃度で見つかるとともに、中野区でもPFOSが22ナノグラムの濃度で検出されています。区内の他の場所でも検出される可能性があります。区内の井戸には防災井戸として指定されているものもあり、住民がPFASの汚染にさらされる恐れがあります。
Q34.区内の地下水のPFAS濃度を詳しく調査する必要があるのではないでしょうか。

 

 羽田空港新飛行ルートに関して3点お伺いいたします。この着陸ルートが設定されてから約3年が経ちました。間にコロナ禍を挟み、本来想定されていたより少ない便数での運用でしたが、今後増加していくことが予想されます。それに伴って、当初から懸念されていた騒音や落下物の危険は増すことになります。わが会派が昨年度に実施した区民アンケートでも「日によってかなりうるさい。落下事故が起こる前に住宅地上空での飛行はやめてほしい」「大変に迷惑しています。窓を開ける季節は騒音が大きくて耳障りです。」など、新飛行ルートに関して不安や被害を訴える声が多く届いています。区はこうした区民の声に耳を傾けるべきではないでしょうか。品川区では今年度、15歳以上の全区民を対象に羽田新飛行ルートについてのアンケートを行います。
Q35.中野区でも羽田新飛行ルートに関する区民アンケートを実施して実態調査をしてはいかがでしょうか。

 

 この間、超党派国会議員による「羽田低空飛行見直しのための議員連盟」が住民側と協力して国土交通省に問題点を挙げ納得のいく説明を求め奮闘しています。しかし、国交省の態度は「固定化回避のための検討会」の検討内容を開示せず、海上ルートを検討しているのかさえ明らかにしない不誠実極まるものです。これでは問題の解決を先送りにしているといわれても仕方ありません。
Q36.国交省に対して、「固定化回避のための検討会」の検討内容を明らかにするよう求めるべきではないでしょうか。

 

 このルートはそもそも羽田空港拡張時の「海から入って海から出る」という約束を破って設定されたものです。増便は運用の改善で十分に行うことができ、重大な事故が発生する前に着陸ルートを元の海上ルートに変更すべきです。
Q37.政府に対し、中野区上空を通るルートをやめるよう求めるべきではないですか。

 

 伺ってこの項目の質問を終えます。

 

5. 子ども施策について
 続いて子ども施策について伺います。中野区では昨年に引き続き、今年も4月1日時点での国基準の保育園待機児童数がゼロ人となる見込みです。子育てしやすい区になるためにも、いつでも子どもを保育園に預けられる体制を整えることは区の責務です。同時に今、そのことと表裏一体で保育園における定員の空きが深刻な問題になっています。
 定員の空きは私立保育園にとって、経営の困難に直結します。中野区は現在、小規模保育事業者と認証保育所に対してのみ減収補てんを行っていますが、私立保育園園長会からはこの間、認可保育園に対する減収補てん制度の創設が要望されています。「年間数百万円の減収になっているところもある」「園舎の建て替えのための積み立てができなくなった」などの声は、この間わが会派としても何度も取り上げてきました。
Q38.改めて、認可保育園に対する減収補てん制度の創設を求めますが、いかがでしょうか。

 

 こうした定員の空きというピンチを保育基準を引き上げるチャンスに生かすべきです。現行の保育士配置基準は1,2歳の基準は50年以上、4,5歳の基準に至っては70年以上も改善されていません。国際的に比較しても日本の配置基準はあまりに低く、子どもたちの豊かな育ちや安全な生活を保障する基準にはなっていません。政府は3月に発表した少子化対策(試案)で保育基準の改善をするとしましたが、「配置基準自体を引き上げた場合は、全ての施設で新しい基準に見合うだけの保育士を確保する必要があるため、保育の現場に混乱が生じる可能性もある」と述べて、保育基準の改定自体には手を付けず、保育士を基準より手厚く配置した保育所の運営費を増額する「加算」という限定的な手法にとどまることが危惧されています。また子ども一人当たりの面積基準も世界的に見て低い水準にとどまっています。奈良女子大学の中山徹教授は保育所利用者の減少とともに、段階的に保育基準を引き上げる改善を進める「子どものための保育改革」を提案しています。働く環境を改善していくことで、保育士の人材確保にも大きな効果があると考えられます。
Q39.中野区において、保育需要の減少に合わせて保育士配置基準や面積基準の引き上げを検討してはいかがでしょうか。

 

 区立保育園においては保育士の欠員が多数発生していると伺っています。現場からは「きめ細かい保育をすることが困難」などの声も寄せられています。
Q40.今現在、何人の欠員が生じているのでしょうか。また、こうした欠員を埋めるために独自に採用活動を強化すべきではないでしょうか。

 

 児童館職員は現在、多くの方が50歳以上となっており、今後長年の経験を蓄積された職員が次々に退職していきます。新たな世代への引き継ぎは急務です。児童福祉のケアと社会事業や介護、ケースワーカーなどではその専門性に大きな違いがあります。
Q41. これまで区が培ってきた児童館のノウハウ等の継承と、これから求められる機能・役割を発展させていくためには専門的知見を持つ職員の確保と育成がより重要となると考えますが、いかがでしょうか。

 

 伺ってこの項目の質問を終えます。

 

6. 公園について
 最後に公園について伺います。現在、区は中野区公園再整備計画に基づいて遊具の更新やトイレの整備などを行っています。また、公園利用ルールの見直しも行い、大人にとっても子どもにとっても魅力的な公園となる努力をされています。
 トイレの整備について計画的に改修や設置を進めているところだと伺っていますが、いまだに多くの公園で和式であったり、外から丸見えのプライバシーのない状態であったりと改善が必要なものが多々あると感じています。区は「トイレの老朽化度合や利用頻度等の状況を踏まえて、洋式化やバリアフリー化を含む親子連れに配慮したトイレへの整備を順次進めていきます」と述べていますが、
Q42.トイレについてどのような考えのもとで整備を行っているのでしょうか。お答えください。

 

 トイレ改修について現状では年間2か所ずつ進めている状況とお聞きしています。
Q43.改修の加速の方策について区の見解をお伺いします。

 

 以上で私のすべての質問を終わります。

 

 

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