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日本共産党中野区議会議員団

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議会報告
REPORT

10.06

2022年度一般会計決算に対する賛成討論:浦野さとみ

 上程中の「認定第1号 令和4年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について」に対し、日本共産党議員団の立場で賛成討論をおこないます。

 

 2022年度は、新型コロナウイルス感染症大流行の3年目となり、第7波・第8波が襲いかかりました。加えて、ロシアのウクライナ侵略などによる原油価格や原材料費の急激な高騰に加え、政府の失政による際限のない異常円安が続き、日本経済にも深刻な影響を与えました。物価が高騰しても実質賃金は下がり、特に、個人・中小業者とそこで働く方々へは大きな打撃となりました。そうしたもとで、中野区政が、「公」の役割を発揮し、住民のくらしを守る施策、9割を占める区内の個人・中小業者を支えることが求められた年度でした。
 同時に、酒井区長のもとで2021年3月に改訂された基本構想、また、同年9月に策定された「中野区基本計画」に基づく初めての予算執行年度でした。特に、同計画内で示された3つの重点プログラムをどう推進していくか、加えて、子どもの権利に関する条例・中野区公契約条例・中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例という区政運営の基礎となる3つの条例が2022年3月に制定され、これらの条例をどう具体化させていくかが問われる、大事な年度でもありました。

 

 2022年度一般会計の歳入総額は、1,695億3,599万円余、歳出総額は1,623億6,900万円余で、前年度と比較し、歳入で6.1%増、歳出で5.9%増なりました。また、各財政指標において、実質収支額は、64億2,900万円余となり、実質収支比率も2年連続で7.4%となりました。さらに、単年度収支は3億3,000万円余、実質単年度収支は51億1,800万円余と、各指標は区の財政が極めて健全な状態にあることを示しています。こうした中で、区の貯金である財政調整基金は347億円となり、予算編成時に見込んでいた残高292億円を上回る状態になりました。また、他の特定目的基金とあわせた基金総額も768億円となり、見込んでいた残高576億円を大きく上回るものとなりました。この要因には、納税義務者の増加とともに納税義務者一人あたりの総所得金額が増加したことがあります。結果、特別区民税が前年度比5.7%増となり、予算計上時を38億円上回る359億円となりました。また、特別区交付金も予算計上を42億円上回る447億円となりました。

 

 以下、賛成理由を3点述べます。
 第1は、冒頭で述べた重点プログラムの一つである「子育て先進区」へ向け、保育園待機児童ゼロの実現、学校図書の充実、トイレの洋式化や学習用インターネット環境の整備や乳幼児親子を対象とした日曜日の開放事業など児童館の運営・設備充実に取り組んだことです。特に、子どもの貧困対策として、学習支援事業や子ども食堂の運営支援の拡充、夏休み期間の学校図書室を開放による居場所づくりと読書活動等を進めたことも評価します。また、年度当初に児童相談所が開設し、子どもの虐待の未然防止や早期の発見・対応に尽力されたことも重要でした。

 

 第2に、すべての人が安心して住み続けることができるまちを目指し、重点プロジェクトである「地域包括ケア体制」を充実させるために、アウトトリーチ活動を推進し、制度へ繋げる取り組みがおこなわれたことです。年度当初には、新たに、ひきこもり相談窓口を設置し、様々な機関との連携をおこないました。一人ひとりの生活状況は複合化しています。制度や支援を必要とする方に、情報がきちんと届き、その方の立場に寄り添った取り組みを、一層、期待します。

 

 第3に、年度中に、9次にわたる補正予算を計上し、長期化するコロナ禍、そして、物価高騰への対策をおこなってきたことです。補正予算の決算総額は、57億3,500万円余となり、住民税非課税世帯および家計急変世帯に対する給付金を実施したこと、加えて、区の単独事業として、学校給食食材の一部を公費で調達したこと、民間学童クラブや介護サービス事業者などへ補助、商店街街路灯等の電気料金助成基準の見直しなど、9事業を実施したことを評価します。

 

 最後に、来年度予算編成に向けて、改善・留意すべきと考えることを3点述べます。
 1つは、重点プログラムである「活力ある持続可能なまち」を実現する中で、脱炭素社会の推進と気候変動への対応における事業において、主要施策の1つにもなっている高断熱窓・ドア助成を含む環境企画調整事業の執行率が3割にとどまっていることです。この夏の異常な猛暑をはじめとする気候危機は、待ったなしの課題です。もちろん、中野区にとどまらず、東京都、そして、国全体の大きな課題ですが、区の環境基本計画で掲げた目標の達成に本気で取り組むならば、執行率を上げる取り組み、区有施設の省エネ化や再エネ化も含めた事業展開、区内事業者や住民を巻き込みながら、環境部が主導しての積極的な姿勢と施策実施が必要です。

 

 2つは、補正予算での様々な対応はおこなわれてきましたが、区が物価高騰対策としておこなった事業の財源構成の内訳をみると、区の一般財源での支出は1億8,400万円余でした。これは、あまりにも少なかったのではないでしょうか。今定例会の先議で可決した補正予算には、10月からの半年間におこなう小中学生の実質学校給食無償化や、東京都が補助を終了した保育・幼児教育・医療・介護分野の事業所支援などが盛り込まれましたが、これらのように、区として、もっと独自の対策と財政支出を2022年度も実施することが可能であったと考えます。

 

 3つは、税収は非常に好調である一方で、住民に格差が拡がっている側面があります。例えば、生活援護課が窓口となった生活相談は、新型コロナウイルス感染症拡大の初年度とほぼ同数の件数となっています。これは、コロナ感染拡大前の2019年度の相談数に比べると、約20%増であり、実質賃金が上がらないもとで支出は増える中で、苦境に立たされている方が多いことの裏返しであると言えます。また、先程触れた、今定例会の先議で可決した補正予算には、区は、独自に対象世帯を拡大し、低所得者に対する支援給付金を盛り込みました。新たに対象となった方は、住民税均等割りのみ課税世帯4,120世帯、課税所得の世帯合計150万円未満の世帯16,300世帯ですが、すでに給付金が支給されている住民税非課税世帯とあわせると、約63,000世帯となります。これは、区内全世帯の約3割に及びます。また、営業所得の伸びは、コロナ関連の給付金を受け取った影響も考えられることから、一人ひとりのくらしやご商売の状況を丁寧に把握していくことが求められます。区が目指す誰一人取り残さない区政の実現、「公」の役割をしっかり発揮することを求め、討論を終わります。

 

 

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