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議会報告
REPORT

09.15

2023年 第3回定例会 本会議・一般質問 2023/9/15 武田やよい

 2023年第3回定例会にあたり、日本共産党議員団の立場で一般質問をおこないます。
質問は通告どおりで、その他はありません。

 

1 生活困窮者支援について
(1)生活再建の視点に立った債権管理について
 まず、生活再建の視点に立った債権管理について、伺います。

 

 2021年第2回定例会総務委員会で、特別区長会調査研究機構研究として中野区が提案し研究した「債権管理業務における生活困窮者支援・外国人対応」の報告がありました。当研究では、「生活困窮に陥った区民が資力を回復し、再び納期内納付者として生活することが中長期的な歳入の確保策となること」、行政の責務として「金銭面からいち早く世帯の困窮を発見し必要な支援に結び付ける仕組みの構築」が必須であり、その手段として「債権の一元管理」が必要であると整理されています。
 しかし前回の第2回定例会で報告された「区債権の状況及び現年度における収入率向上に向けた取組」を見る限り、目的と手段が入れ替わり徴収することに力点が置かれ、生活再建の視点に立った債権管理の取り組みは進んでいない印象を受けます。
 長引くコロナ禍、物価高騰、厚生労働省の調査においても「格差が広がっている」と報告されている中で、生活再建を視野に入れた対応は、待ったなしであると考えますが、報告から既に2年経過している中、連携方法などはいまだに示されていません。そこで伺います。

 

Q1 現在の区民生活を考えれば、今こそ債権管理において生活再建の視点が大切だと思いますが、どのように考えているのか答弁を求めます。

 

 先の行政報告で、新庁舎における質の高い区民サービスの提供に向けて、「(仮称)おくやみ窓口」など、相談窓口の拡充を図る検討を行うことが報告されています。専門的であり、複数の窓口に跨る対応のワンストップ化検討と認識していますが、納付相談窓口のワンストップ化も検討すべきではないでしょうか。債権発生の根拠は各法令等により異なりますが、納付相談・滞納整理に関する対応は、ほぼ共通しており、専門的な見地から納付相談をワンストップで受けることで、相談者の負担を軽減できることに加え、業務効率にも寄与するものと思われます。そこで伺います。

 

Q2 納付相談の一本化について、検討は行われたのでしょうか。
 行われたのであれば、どのような対応を行うのか、課題は何か、未検討であればその理由と今後の方向性をお答えください。

 

 9月に開催された「中野区地域包括ケアシンポジウム」の報告の中で、コロナで自殺者が増加したとの資料があり、男女ともに原因・動機の4割以上が「経済・生活問題」となっていました。加えて、相談しない理由として「誰に相談してよいのかわからない」との回答が比較的高い割合を示していました。
 滋賀県野洲市では、滞納を1つのSOSと捉え、その背景にある世帯の困難に着目して対応する施策を実施しています。滞納の背景には、突然の解雇、ひきこもりなど様々な困難が想定されます。
 相談先が分からず悩んでいる世帯を制度の狭間に陥らせず積極的に支援するためには、地域包括ケアで実践しているアウトリーチチームの活動が有効であると考えます。

 

Q3 アウトリーチチームが活動するための滞納情報の連携について、考え方をお答えください。

 

(2)女性・シングルマザーの貧困と対策について
 続いて、女性・シングルマザーの貧困と対策について、伺います。
 昨年度、単身女性の当事者団体が「中高年シングル女性の生活状況実態調査」を行いました。
 40歳以上の未婚・離婚・死別などで同居のパートナーがいない方たちが調査対象です。その中で、コロナ禍・円安による物価高騰で生活が苦しいと答えた方が約7割に及び、働いている人の半数以上が非正規または自営業でした。資産がない人は4人にひとり。住居に困っている、将来的に病気・介護・仕事の継続・年金・社会保険料負担など不安が多岐に亘っている実態が明らかになりました。
 自由記入欄には、就職氷河期世代の40代・50代から「不本意な非正規就労」への声が寄せられています。

 

Q4 区は、こうした中高年シングル女性の様々な困難について、どのような認識をしているのか、公の支援が必要であると考えますが、見解を伺います。

 

 複雑化、多様化、複合化している女性をめぐる課題に対応するため、女性への支援について、これまで売春防止法の中に規定されていた「保護更生」から脱却し、「女性の福祉」「人権の尊重や擁護」「男女平等」といった視点を明確に規定した「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が制定され、来年4月1日に施行されます。新法8条では、市区町村は、「国の基本方針」「都道府県の基本計画」に即した「市町村基本計画」を定めるよう努めることが規定されています。
 閉会中の総務委員会で、区として基本計画を定めるとの報告がありました。そこで伺います。

 

Q5 前出の調査の中で、困ったときの相談先として自治体窓口と回答した方は、11%に留まっていました。公的機関とつながりにくいシングル女性への支援を基本計画に位置づける必要があると思いますが、 いかがですか。お答えください。

 

(3)物価高騰対策について

 

 この項目の最後に、物価高騰対策について、伺います。

 

 長引く物価高騰により、区民や事業者の方々の困難さが増しています。
 第2回定例会に続き、今定例会でも、区独自の物価高騰対策について補正予算が提案されており、区の
対策について評価をいたします。
 しかし、現時点で物価高騰は収まる気配が見えません。そこで伺います。
 

Q6 今回提案されている、私立保育園・幼稚園、介護保険事業者等への支援について、来年度も継続すべきと考えますがいかがでしょうか。見解を伺います。

 我が会派では、6月1日に物価高騰対策緊急提案の1つとして「エアコン購入・設置・修理費」の助成を要望しました。地球温暖化の影響により、毎年、暑さが厳しくなっている中でエアコンは命を守るための必需品です。23区では、練馬区等が経済的な事情により、エアコンを購入できない、修理できない世帯を対象にエアコン購入費等の助成を実施しています。

 

Q7 中野区でも実施に向けて検討すべきと考えます。答弁を求め、この項目の質問を終えます。

 

2 新庁舎移転の準備と体制について
(1)新庁舎移転準備について
 続いて、新庁舎移転の準備と体制について、伺います。
 新庁舎への移転時期は、来年のゴールデンウイークと聞いていますが、最大の窓口を抱える戸籍住民・保険医療などでは、例年2月中旬頃から繁忙期を迎え、3月・4月は、通常期と比べ1か月の来庁者数が7000~8000人ほど増加する最大の繁忙期となります。

 

Q8 この状況下で、窓口サービスの質を低下させることなく、移転準備、新庁舎でのシミュレーションや研修を行うためには、年内にはマニュアルなどの整備を終え、遅くとも年明けから研修や移転準備作業を行う必要があると思われますが、見解を伺います。

 

(2)人事異動の時期について
 最大の繁忙期である4月に人事異動により窓口職員が未経験の職員に入れ替わることは、安定した住民サービスの提供に支障がでると思われます。加えて新庁舎での新たな機器の使用や動線などについて、4月以前から研修を行っている職員を入れ替えることは、非効率で不合理だと考えます。
 「申請書の記載が不要になり時間が短縮される」としても、受け付ける職員が制度や手続き内容を熟知していなければ、教えるために2倍の人員が必要となったり、確認のために待ち時間が増えたりすることが想定されます。
 かつて、ワンストップ化や発券システムの対応変更時に3時間待ち、100人以上待ちなど、来庁者数の増加以外の要素で、長時間お待たせする状態が1か月ほど続いたことが数回ありました。同じことを繰り返さないために、各所管の実情を把握し、意向を反映した万全な対策を講じる必要があると考えます。
 今年度末は、定年延長により定年退職者が発生しない年にあたります。そこで伺います。

 

Q9 勧奨・普通退職などの対応以外、少なくとも窓口サービスを抱える部署については、原則として4月1日の人事異動の見送り、もしくは安定稼働を見据えた時期などの異動を行うべきではないかと考えますが、いかかでしょうか。見解を求めます。

(3)全庁的な応援体制について
 窓口職場の準備作業・研修などは、時間外・土日など閉庁時になると思われます。負担が大きくなる窓口職場について、人事異動時期の検討に加え、業務経験者の応援体制を組むなど、各所管の実情に応じた対応が必要ではないでしょうか。かつては、異動直後の前任者が繁忙期の応援に入るなどの対応を行っていました。そこで伺います。

 

Q10 新庁舎移転を円滑に行うための人的な対応について、各所管部の責任で対応するのではなく、人事異動・応援体制など全庁的に総務部がイニシアチブを取り、円滑な移転が行えるよう対応すべきであると考えますがいかがでしょうか。見解を求めます。

 

 窓口において、区民の方が望んでいるのは、新たなシステムや目新しい仕組みではなく、必要な手続きが適切に提供されること、きちんと受け止められ対応してもらっているという安心感だと思います。万全の体制で臨まれることを要望し、この項目の質問を終わります。

 

3 介護保険事業計画について
(1)第9期介護保険事業計画策定にあたっての区の方針について
 次に、介護保険事業計画について、伺います。

 

 介護を社会全体で支える制度としてスタートした介護保険制度は、改正を重ねるたびに「保険あって介護なし」になりつつあります。昨年、国が示した検討案は「史上最悪の介護改悪」として反対の声が大きくあがり、検討案の多くが先送りされました。
 報酬やサービス内容、事業所認可の基準などが法で定められており縛りの多い制度ですが、保険料の設定や基盤整備計画、介護サービス事業者の支援など、保険者としての区の姿勢が反映される要素も多々あります。そこで、伺います。

 

Q11 第8期介護保険事業計画の基本理念は「健康福祉都市なかの」の理念としてまとめられていますが、第9期事業計画策定にあたっては、個別計画である介護保険事業についての基本理念を明確にすべきであると考えますがいかがですか。答弁を求めます。

 

(2)介護保険料の設定について
 続いて、介護保険料の設定について伺います。

 

 第8期では、社会状況等を鑑み、介護給付準備基金の活用などにより、第7期保険料と同額でした。
 年金受給額は下がり、物価高騰も止まらない状況下で、介護保険料は原則として年金から天引きされるため、保険料が上がれば、さらに年金の手取りが少なくなります。区民生活を守る保険料設定が必要であると考えます。そこで伺います。

 

Q12 第9期の保険料設定にあたっては、積極的な基金取り崩しなどにより、保険料を下げる、少なくとも据
え置くべきであると考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。

 

(3)基盤整備の状況について
  基盤整備について伺います。

 

 生活相談では、アパート老朽化や相続のための建替えにより、低廉な家賃のアパートからの立退き相談が増えています。しかし、低所得の高齢の方がアパートを探すことは、大変困難な状況です。
 また、介護保険は利用していなくとも、ゆるい見守りや支援が必要な高齢者が増加しており、このような方たちを対象とした都市型軽費老人ホームは、住み慣れた地域で暮らし続けるための施策の一つとして今後、ますます需要が高くなると思われます。
 第8期介護保険事業計画では、2施設40名定員の誘導整備を掲げていますが、整備実績はないとのことです。そこで、伺います。
 
Q13 積極的な誘導策が必要であると考えますが、事業者からの相談状況、整備推進にあたって必要と思われる支援策についてお答えください。

 

  介護保険制度には、このほかに認知症高齢者グループホームや特別養護老人ホームなどがありますが、ご本人の身体状況・経済状況に応じて、住み分けや住み替えが必要になると思われます。

 

Q14 切れ目なく、安定した住まいとしても提供する視点に立ち、事業所の運営状況も考慮した基盤整備目標と誘導策を検討すべきだと考えますがいかがでしょうか。

 

 基盤整備の考え方を伺い、この項目の質問を終わります。

 

4 区営住宅・福祉住宅について
 次に区営住宅・福祉住宅について伺います。
 住宅施策は、福祉施策であると考えていますが、この間、区営住宅・福祉住宅に入居することになった方たちから寄せられた相談では、区の姿勢に疑問を感じる内容が数件ありました。事例をもとに伺います。
 区営住宅を申し込んだAさんからは、入居の連絡で初めて「風呂釜・浴槽を自分で設置すること」「バランス釜と小さな浴槽の1種類しか設置できず、金額も30万を超えるなど高額であること」を知らされ、金銭的に困り相談がありました。
  その後も自分で電気配線の増設を行うなど、一般的な賃貸住宅では想像できない対応に追われる中、「内見は1回だけ」「家賃が安いのだから」「嫌なら辞退して」といった対応をされたとのことでした。
  また、福祉住宅に応募したBさんからは、人工透析へ通う際など生活上大事な移動手段となっている自転車を停める駐輪場がないことを入居決定の際に知らされ、大変困って相談が寄せられました。

 

Q15 区営住宅・福祉住宅の設置目的、入居対象者の生活状況を考えれば、生活に必要な条件に沿った応募を行うことや事前準備のために、募集時に正確な情報提供を行うべきであると考えます。区の見解を伺います。

 Bさんの場合、多くの方の協力で、近隣に駐輪場を見つけ入居することができましたが、過去には駐輪場が見つからず、入居を断念した方もいると伺っています。

 

Q16 特に福祉住宅においては、ご本人の状況、希望に応じた入居決定が行えるよう、申し込み時点で条件を記載できるようすべきではないでしょうか。見解を伺います。

 

 現在、都営住宅は建替えが進み、入居者が浴槽・風呂釜を設置する住宅は大幅に減少しているとのことです。

 

Q17 区営住宅建替え目安は70年と聞いていますが、少なくとも浴室などの水回りについて、退去などの機会に改修し、入居時の負担軽減、使用しやすい浴室にすべきではないでしょうか。
 また、区有施設の環境性能を上げていく視点、入居者の光熱費抑制の観点から、断熱サッシへの改修など、可能な範囲で住環境の質を向上させる改修を行うべきであると考えますがいかがでしょうか。併せて答弁を求めます。

 

5 学校統廃合の課題について
 次に学校統廃合の課題について伺います。

 

 平成17年10月及び平成25年3月に策定された「中野区立小中学校再編計画」をもとに進められてきた学校統廃合について伺います。当計画について、我が会派は、教育環境の後退を懸念し、一貫して反対の立場を表明してきました。しかしながら、前区政のもとで強引に進められてきた経過があります。
  この小中学校再編計画の結果として、例えば、谷戸小学校では校庭に教室棟を増築するなどの対応が必要となり、当初計画とのズレが子どもたちの学ぶ環境を圧迫しています。
 学校がなくなった地域では、高層マンション等、ファミリータイプのマンション増加などにより子育て世帯が転入してくる可能性が高い地域もあり、通学できる学校がない状況に陥ることも想定されます。
  そこで、伺います。

 

Q19 計画当時の児童・生徒数の見込みと現時点での状況、学級数の見込みと乖離について、どのように考えているのでしょうか。今後の見通しも含め、見解を求めます。

 

 現在、教室棟を増築している谷戸小学校では、工事期間中、校庭では体育が行えないほど狭小となり、保護者の方たちからは、体力不足を懸念する声も聞かれます。
 教室棟増築後の校庭面積は、児童1人当たり、約3㎡とのことであり、これは文部科学省が定める小学校基準の運動場面積10㎡のおおよそ3分の1程度となります。
 再編計画で示された「中野区の目指す学校像」では、“ゆとりあるスペースの確保”“可能な限り広い校庭の確保”などの教育環境を整えるとありますが、明らかに逆行しています。

 

Q20 第2回定例会で、我が会派の羽鳥議員の再編計画の検証に関する質問について、「令和6年度から検証する」との答弁がありましたが、子どもたちの置かれている状況を改善するために、学校新設を視野に入れた学校再編計画の検証を今年度中に開始すべきであると考えます。見解を求めます。

 

 なによりも、子どもたちによりよい教育環境を提供することを求め、この項目の質問を終わります。

 

6 東中野駅東口周辺まちづくりと駅舎のバリアフリー化について

 

(1) 地域住民とまちづくり課、産業振興課との協同について
  最後に、東中野駅東口周辺まちづくりについて伺います。

 

 昨年、11月にまちづくり意見交換会が開催され、地域の方々にはアンケート調査も行われました。
 この時、参加した方々からは、「どこにでもある街ではなく、東中野らしさを残したい」「これ以上、高層建築物はいらない」といった声が多くありました。飲食店街は、これまでの歴史やロケ地に使われてきたことなどから「昭和のまちの風情を残したい」との思いが強くあります。
 この地域は、学校統廃合により小中学校がなくなり、図書館も廃止され取り残されていると感じている方も少なくありません。このため、東口周辺のまちづくりに取り組むためには、まず地域に入り、信頼関係をつくっていくことが必須であると考えます。そこで、伺います。

 

Q21 第2回定例会で示された、産業振興方針骨子の中でも東中野駅東口周辺のまちづくりが施策の一つとして挙げられています。ハードとソフト両面で“まちづくり”と“にぎわい創出”を進めていくことが必要だと考えます。そのために、各所管が別々に対応するのではなく、区の関連部署と地域の方々が一 同に会して検討する場を設定するなど、関係者が集まり踏み込んだ議論のできる場を設定できないでしょうか。見解を求めます。

 

(2) 東中野駅駅舎(東口)バリアフリー化について続いて、駅舎のバリアフリー化について伺います。

 

 地域の長年の要望であるバリアフリー化について、区の検証では現状ではバリアフリー化困難と報告されました。“まちづくりと合わせた実施”については、またさらに時間がかかると落胆の声があります。

 

Q22 区は、これらの声をどのように受け止めているのか、見解を伺います。

 

 東口は、改札内にトイレもなく駅員も配置されていません。来年夏以降、特別支援学校の生徒さんたちが通学で利用することもあり、まちづくりと切り離してバリアフリー化を進めて欲しいとの要望が強くあります。

 

Q23 現状で対応可能な対策をJRに求めるべきです。見解を伺います。

 

 東中野駅東口周辺のまちづくりと駅舎のバリアフリー化について、地域との協同により進めていくことを重ねて要望し、私のすべての質問を終わります。

 

 

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